2009年05月27日

笑う月

小田原へ移動する間、なにか読む本をと、啓文堂書店で安部公房「笑う月」を購入。


「笑う月」が新刊で発売された時は私は高校1年生で、茶色いハードケースの大型本の安部公房新刊は高額だったが、どうしても欲しくて京都・駸々堂書店で購入したことを覚えている。

この本に収録の短編「公然の秘密」が好きだった。小説を読んで泣いた、というのは、この小説が最初かもしれない。16才の高校生には、その小説の光景があまりにも悲しかったのだと思う。

どらっぐすとうあのスタッフだったころ、仲間と安部公房の話になり、石橋くんが「昔、"飢餓同盟"を読んで泣いた」という話をしてくれたことを今でも覚えている。

安部公房は「愛のメガネは色ガラス」以降は新刊はすべて購入していたが、亡くなってしまっては新作は出ないのでいたしかたない。全集は結局買わなかったな。

最初に読んだのは「R62号の発明・鉛の卵」で、「壁」「他人の顔」「愛のメガネは色ガラス」「密会」は好きだった。
中学3年生の演劇部時代に「乞食の歌」を、高校の演劇部で「幽霊はここにいる」を公演、主演をさせてもらった。

『砂の女』はDVDを持っている。



kishidashin01 at 23:06│clip!読書