2008年12月30日
山桜
映画館では見れなかったので、DVDで「山桜」を鑑賞。
![山桜 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ADRqFd-rL._SL160_.jpg)
山桜 [DVD]
藤澤周平の原作(非常に短い短編)が素晴らしい作品なだけに、映像化には危惧していたし、田中麗奈や東山紀之といったアイドル出の俳優が主人公役とあってますます「つまらなかったらどうしよう」的な不安もあったが、なんの、よくできた映画だった。
まず、ストーリーが原作に忠実。若干の肉付けがされている程度で、ほぼ原作そのままと言える。そして役者には篠田三郎、壇ふみといったベテラン陣がやさしい両親を演じ、悪役の永島暎子、村井国夫、千葉哲也がほんとうに憎らしい&素晴らしい演技を見せている。しかしなにより一番良かったのは、自分でも意外だったのだが、東山紀之である。
もちろんちょっといい男の役どころなので、ジャニーズ出身の東山紀之には適役ではあるが、ほれぼれしたのは太刀捌きである。苦しんでいる農民から残酷に年貢を巻き上げて私腹を肥やす家老を正義感で切ってしまう若き武士の役所だが、このシーンが絶品だ。動きにまるで無駄がなく、そして美しい。
もうひとつの名シーンは、ラストの富司純子が登場する家のシーンである。もうここからラストまでは、涙腺のゆるい方なら間違いなく泣いてしまいます。
富司純子の存在感も、凄い。これはキャスティングの完璧な勝利だ。
難を言うなら、テレビ的というか、回想シーンがやや多いこと。映像ではなく、役者の表情や目線やロングショットなどで小説の「行間」を表現してほしかったところ。
あとは、エンディングテーマかな。一青窈には何のうらみもないし、素晴らしい歌手だとは思うが、このエンドロールにこの歌はちょっと不釣り合いか。
ストーリーとしては完結しない(原作も)話なので、それもいいと思った。主人公がどうなるのかは、あくまで観客が(読者が)想像すればいいという選択。最近はこういった作品が少ないだけに、よけいに新鮮だ。
年末年始に、レンタルDVDでぜひ見てみてください。
![山桜 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51ADRqFd-rL._SL160_.jpg)
山桜 [DVD]
藤澤周平の原作(非常に短い短編)が素晴らしい作品なだけに、映像化には危惧していたし、田中麗奈や東山紀之といったアイドル出の俳優が主人公役とあってますます「つまらなかったらどうしよう」的な不安もあったが、なんの、よくできた映画だった。
まず、ストーリーが原作に忠実。若干の肉付けがされている程度で、ほぼ原作そのままと言える。そして役者には篠田三郎、壇ふみといったベテラン陣がやさしい両親を演じ、悪役の永島暎子、村井国夫、千葉哲也がほんとうに憎らしい&素晴らしい演技を見せている。しかしなにより一番良かったのは、自分でも意外だったのだが、東山紀之である。
もちろんちょっといい男の役どころなので、ジャニーズ出身の東山紀之には適役ではあるが、ほれぼれしたのは太刀捌きである。苦しんでいる農民から残酷に年貢を巻き上げて私腹を肥やす家老を正義感で切ってしまう若き武士の役所だが、このシーンが絶品だ。動きにまるで無駄がなく、そして美しい。
もうひとつの名シーンは、ラストの富司純子が登場する家のシーンである。もうここからラストまでは、涙腺のゆるい方なら間違いなく泣いてしまいます。
富司純子の存在感も、凄い。これはキャスティングの完璧な勝利だ。
難を言うなら、テレビ的というか、回想シーンがやや多いこと。映像ではなく、役者の表情や目線やロングショットなどで小説の「行間」を表現してほしかったところ。
あとは、エンディングテーマかな。一青窈には何のうらみもないし、素晴らしい歌手だとは思うが、このエンドロールにこの歌はちょっと不釣り合いか。
ストーリーとしては完結しない(原作も)話なので、それもいいと思った。主人公がどうなるのかは、あくまで観客が(読者が)想像すればいいという選択。最近はこういった作品が少ないだけに、よけいに新鮮だ。
年末年始に、レンタルDVDでぜひ見てみてください。