2015年04月07日

あの時の大人たち

子供の頃の感情は、その後の生涯に影響するのだと思う。

中学生の頃、ロックミュージックが好きだった。
自分の小遣いでレコードを買うのは限界があり、もっといろいろな音楽を聞きたいと思っていた。そんな時はラジオにリクエストするか、ロック喫茶でレコードを聞かせてもらうくらいしか手段がなかった。

ロック喫茶に行くと『ガキが来やがった』と店の常連らしきお兄さんににらまれた。
ディープ・パープルなどの有名なバンドをリクエストするとさらにガキ扱いされ、ブルースロックなどの渋いところをリクエストすると『解りもしないくせに』と馬鹿にされた。
あんな大人にはなるまいと思った。
自分が大人になり、あの頃のロック喫茶の先輩を思い出すことが多い。

19才の時、大阪で行われたフリージャズのコンサートにノイズギターで参加した。
一般からの参加募集が告知されており、私は主催者の審査に通ってコンサートの舞台に出演できたのである。
後日、そのコンサートの反省会があり、参加者は出席すべし、となった。私はのこのこと出かけていった。
その反省会の場で、ジャズの先輩たちに囲まれ、私の演奏は『青春のマスターベーション!』と酷評され、ほぼ全員から笑われた。
心底くやしかった。
翌日、頭士くんを誘って非常階段を結成した。
美川さんはそのコンサートを見に来てくれており、後に雑誌記事で『さすがにびっくりした』と褒めてくれたことをよく覚えている。

子供の頃、あんな大人にはなるまい、あんな人間にはなるまいと思った人が何人もいた。
今の自分がその時思ったイヤな大人になってないか、いつも確認するようにしているが、時々やはりあの頃のイヤな大人になっている。

もっともっと、子供の頃のことを思い出す必要がある。

kishidashin01 at 12:39│clip!日常