2010年05月28日

セロ弾きのゴーシュ

今日も占いのお客さんから『広重さんが紹介していた「日本語ということば」の小4の女の子の作文、読みました』と言われた。他にも書店で取り寄せを依頼したというメールもいただいたりして、私が紹介したことによってどんどん広がっているように思う。
この上は徳島の小西さんやコサカイくんなどにも「日本語ということば」が広がり、図書館などでも常備されるようになればいいのにと思う。
図書館はどこかにあれば、自分の行く図書館になくても取り寄せもしてくれる。ぜひどこかでふれてもらえればと思う。

この「日本語ということば」に収録の作文「あまえるということについて」には宮澤賢治の「セロ弾きのゴーシュ」が登場する。
で、この作品はたしか高畑監督でジブリで映画化されていたはず、と思って、数年前に中国か香港で購入したあやしげなDVDボックスを探してみると、この作品も収録されていた。購入はしたものの、DVDは未見だったのである。

ほぼ原作に忠実な1982年作品のこの映画は、今みてもかなり地味な作品であるが、声優陣が素晴らしい。雨森雅司(楽長)、白石冬美(ねこ)、肝付兼太(かっこう)、高橋和枝(子だぬき)、高村章子(野ねずみの母)と書けば、わかる人にはわかるだろう。特に高村章子はムーミンママの声優だった方で、この声だけでしびれてしまう。

「セロ弾きのゴーシュ」は何重にも捉え方が出来る作品で、ゴーシュとはなんだったのか、ネコやかっこうやタヌキなどは何を示唆しているのかなど、ずいぶん考えることのできる作品だ。現代のアニメやマンガのように、簡単に答はでない。答えの出にくい作品は昨今好かれないから、今では宮澤賢治など流行らないのかもしれないが、私はとてもおもしろい作品だと思う。


夜の9時からは鳩山首相の記者会見を見てしまった。もちろんあやまることは大切だし、じゃあ沖縄はどうすればいいのかという結論はなかなか出ない問題であることもわかるが、もっとやりようがないのかとも思う。マスコミの論調も偏重している。じゃあ自民党に戻せばいいのかね、じゃあみんなの党とか第3党に入れれば世界は変わるのかね。だれもそんなふうには思っていない。
そして結局は若者のいくらかははdommuneのジェフ・ミルズ見たり、渋谷でボアとか、今日発売のiPadの設定でわいわいやってるのだ。そしてそれはいけないことではなく、それでいいことの可能性のほうが圧倒的に高い。

同じジブリつながりで、「千と千尋の神隠し」の挿入歌「いつも何度でも」を思い出した。沖縄にとって今日という日はなんだったのかと思いながら、この歌の歌詞が頭をよぎる。


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呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも心躍る 夢を見たい
かなしみは 数えきれないけれど
その向こうできっと あなたに会える

繰り返すあやまちの そのたび ひとは
ただ青い空の 青さを知る
果てしなく 道は続いて見えるけれど
この両手は 光を抱ける

さよならのときの 静かな胸
ゼロになるからだが 耳をすませる
生きている不思議 死んでいく不思議
花も風も街も みんなおなじ

呼んでいる 胸のどこか奥で
いつも何度でも 夢を描こう
かなしみの数を 言い尽くすより
同じくちびるで そっとうたおう

閉じていく思い出の そのなかにいつも
忘れたくない ささやきを聞く
こなごなに砕かれた 鏡の上にも
新しい景色が 映される

はじまりの朝の 静かな窓
ゼロになるからだ 充たされてゆけ
海の彼方には もう探さない
輝くものは いつもここに
わたしのなかに
見つけられたから

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新しい景色、か。



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