2010年04月25日

点と点をむすぶ糸電話

twitterというSNSは急速に普及しつつあるけれど、思いの外健全に、そして便利なツールとして利用されているように思う。
もちろん使っていない人にはちっとも面白そうには見えないようだし、twitterにはまっている輩に薦められてうんざりしている人も多いようなので、ここでも特には推奨しないけれど、私はまあ楽しんでいる。

先日、大阪で一番おいしいたこ焼き屋を教えてほしいとつぶやいたら、1分もたたないうちに見ず知らずの女性から、『阿倍野のやまちゃん!』という答えが帰ってきた。
もちろん私のつぶやきは、基本的には私をフォローしていないと読めないから、私のファンか私のなにかに興味をお持ちの方だとは思うが、こうやって一瞬にして糸電話がつながるような感覚はお互いに刺激的なはずだ。

今日、占いの仕事が終わってから天王寺駅まで地下鉄で移動、やまちゃん本店でたこ焼き・味付けヤングで食べてきましたよ。周りはカラッとしていて中はアツアツでおいしかった!昭和の味がした気がします。教えてくれてありがとうね。

昨夜は天下一品のラーメンの味が店舗によって違うという話題をふったら、石川浩司さんから返事が来たり、見ず知らずの方からどこどこの店はイマイチでどこがおいしいという情報が続々。
一昨日はスカシカオが昔、非常階段のファンだったという情報があったが、とつぶやくと、九州の女性の方から、そしてソウル・フラワー・ユニオンの中川くんから、その情報は本当だというフォローをいただいたり。


つまりは、点と点が最速でつながるツールが現在のところtwitterであるということだろう。
これは最も世の中のニーズでありながら流通や経済的諸事情から実現していない、点から点への情報伝達と商品提供という命題への、解決の布石になるツールであるのかもしれない。

例えば非常階段のCDを欲しがっている人は福岡にもいるだろうが、じゃあタワーレコード福岡店に商品を陳列したからといって、そのお客さんの手元に届くかというと、その可能性は果てしなくゼロに近い。むしろアマゾンやヤフーオークションなどの方が圧倒的に「欲しがっている点」と「提供できる点」をむすぶ可能性は高いのではないかと思う。

また例えば私のブログ単行本「みさちゃんのこと−JOJO広重ブログ2008-2010−」は天然文庫というオンデマンド出版なので、一般の書店には並ばない。
もし書店に並ぶだけの在庫を作って流通したとして店頭で売れる冊数と、ネット通販のみで販売することのできる冊数はそんなに変わらないのではないかな。

非常階段のCDとか、私の本とか、マイナーなものを例にあげて申し訳ないが、実はそういうことなのではないか。
モノは欲しがっている人にダイレクトに届ける必要があるのではないか。
そして在庫とか、店舗とか、経費とか、そういうものを無くしてコストダウンして、しかし中間搾取されることなく、制作者や作家にきっちりとロイヤリティが支払われる仕組みが、音楽業界や出版業界の急務だと思う。

CDRではなく、1枚からプレスできるCD盤があればいいのだ。
1枚から印刷できるCDジャケットが作れればいい。
そうすれば在庫を持たなくていい。

本は1冊から作れるようになったのだから、きっと近い未来には実現するのではないかなあ。
流通はメール便で全国どこでも80円が実現しているので、この80円はコストに吸収できるのではないかと思う。

数年後にもtwitterが流行しているかどうかはわからないが、音楽や出版の世界はうんと変わっていると思うよ。
ここ数年の流れが、楽しみだ。


kishidashin01 at 23:22│clip!日常