2009年11月23日

Thirty Days

ビートルズについて原稿を書くことになり、映画「レット・イット・ビー」について書いた。12月頃、シンコーミュージックよりムック本で出版されます。

この原稿を書くにあたって、映画のDVDを見直したり、CD「レット・イット・ビー」や「レット・イット・ビー・ネイキッド」を聞き直したりしたが、一番おもしろかったのはCD17枚組「Thirty Days」だった。

レット・イット・ビーは映画のために膨大な量のフィルムをまわして、ビートルズの通称「ゲット・バック・セッション」の模様を収録している。そのAロール、Bロールから音だけを取り出し、冗長なおしゃべりをはぶいて楽曲をとりだしてCDにしたのがブートレッグ「Thirty Days」だ。

もちろん同じ楽曲が未完成のままのセッションが延々続くわけで、よほどのビートルズマニアでないと楽しめないものだが、例えば映画冒頭のポールのピアノの即興演奏が長尺で聞けるのもかなり嬉しい。レット・イット・ビーの映画自体がビートルズの舞台裏を描いたものだが、さらにその舞台裏という感じだ。

行き場のない音楽がメンバー間のギクシャクした関係の中で、どうにか形を成していく姿は、生々しく、悲しい。
そして音楽がどこに行くのかを暗示している部分、つまり終焉にむかっていることにどうしてもひかれてしまうのだ。

いつかは、終わる。
人間はそこに向かわざるをえない。命がいつかは終わるように、音楽もいつかは終わるのだ。終わらない音楽なんて、ない。


ビートルズのアルバム作品では「アビィ・ロード」と「レット・イット・ビー」が好きだが、やはりレット・イット・ビーかな。
やっぱり、どこを聞いても、悲しいから。

自分でも「Thirty Days」をこんなに楽しめるとは思っていなかった。

「Thirty Days」はCDを買わなくても、ネットを探せば落ちていますので、がんばってダウンロードしてみてね。

thirty

kishidashin01 at 01:58│clip!音楽