2009年11月16日

エフェクター40



市橋容疑者が逮捕される前、大阪の現場で数ヶ月も働いていたというニュースを見た何人かの方は、『また大阪か!』と思ったことだろう。

暗黒都市、大阪。指名手配の犯罪者も隠れることのできる街。
きっと市橋容疑者の同僚だった現場のあんちゃんは『オレ!オレ!市橋と一緒に働いてたんだぜ!』とまるで自分の手柄のように嬉々として知り合いに話しているに違いないのだ。
山本精一著「ギンガ」を読めばわかるが、つまりそういうことなのである。

で、どうして大阪からおもしろい音楽が湧いて出てくるのかというと、そういう街だからだ。日常が東京や名古屋や福岡や札幌とは違うのである。そごうがつぶれて、数ヶ月後には大丸になって、わんさか客が来ているのだ。わけわかりまへんで、まったく。

で、昨夜は大阪・なんばベアーズに「ソルマニア結成25周年記念ライブ」を見に行った。
これが良かった。すごかった。おそらく5パターンくらいのノイズサウンドが、シームレスに100分くらい続く組曲構成の「ノイズ・オーケストラ」なのだが、こんなノイズ演奏は世界中探してもないだろう。非常階段とも、インキャパシタンツとも、メルツバウとも違う。それはソルマニアの音だ。
そしてこれはおそらく世界最先端の音である。こんな音楽が1800円で、しかも大阪のなんば、死者が大量に出たビデオボックスの事件現場の近くのお店で見れる&聞けることの凄さ。これが大阪の深層だと思う。

ソルマニアのワンマンはもしかしたら初めてか。扇町のなにかの会場で、数日にわたって数十時間のライブがあったと思うが、あれはソルマニア名義だったか、大野雅彦ソロ名義だったか、忘れた。
もっとこんなライブをやって欲しい。東京で、海外でも。

終演後、ステージのエフェクターの数を数えると、40個あった。
大野くんに40個もあるよ、凄いね、というと、『これでも減らしたんですけどね』という声が返ってきた。
ノイズって奥が深いと、そう痛感した夜でした。

efec40

kishidashin01 at 01:39│clip!ライブ