2009年07月15日

farewellスペシャル

音楽関係のフリーペーパー「farewell」スペシャル号が発行になった。

fare









farewell特別号『美人レコード特集』


この号には私もインタビュー記事を掲載してもらっている。
このフリーペーパー「farewell」の存在自体まるで知らなかったが、約1ヶ月ほど前、編集部からメールで取材の申し込みがあり、少し考えたが、答えることにしたのである。

内容は「レーベルの行方」というもので、以下の3つの質問に答えるというもの。私の他にはECDさんやマジキックの植野くんらが答えていた。

Q1.(ご自身のバンドやアーティストとしての活動とは別に)自らレーベルを運営しようと思ったきっかけ・理由を教えてください。

Q2.メジャーレーベル(レコード会社)では達成することができない、自主/インディレーベルの最大の利点・強みは何だと思いますか?

Q3.自主/インディレーベルを運営し、そこから作品を発表し続けていくことは、今後の音楽シーンの変遷にどのような作用を及ぼしうると思いますか?

私の全部のアンサーをここにUPしても差し支えはないと思うが、まあ本誌を手にとって読む喜びもあるでしょうから、Q2、Q3の答えはそちらでお読み下さい。

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Q1.(ご自身のバンドやアーティストとしての活動とは別に)自らレーベルを運営しようと思ったきっかけ・理由を教えてください。

A1.1970年代、高校生や大学生だったころ、ロックやジャズのレコードが大好きでした。自分たちでバンドとかやるようになって、自分たちのレコードができて、レコード屋さんに並ぶようになればいいなあと思っていましたが、当然、夢の夢なわけです。1970年代の終わりころ、自主制作でレコードが作れることがわかり、自分たちの作品を作るきっかけがありました。その頃の友人だったひとりの男が、パンクのミニコミを作ります。関西シーン全体のレポートや批評が中心でしたが、彼が個と個の点ではなく、それらを集めた企画、ツアー、ライブなどをしていくうちに、責任を持って他者に紹介していくレーベルの必要性を感じたわけです。それが1980年に設立されたアンバランス・レコードというレーベルでした。このレーベルは経済的理由から3年ほどで消滅するのですが、このレーベル・オーナーと私が話し合い、共同で1984年に設立したのがアルケミー・レコードです。
アルケミー・レコードの設立時の立脚点のひとつは「記録すること」でした。我々が好きな音楽はともすればマイナーで、一般の世界からはまるで無視されるようなものが大半ですが、そういった音楽の中にも素晴らしいものはたくさんある。それらを記録して残したい、という気持ちです。
もうひとつはレコードなどの形にして残すことにより、それが自分たちの意図しないような場所や人にまで届き、想像を超えるようなつながりをしていくこと。それを期待してタイトルを作っています。なのでバンドを売ろうとか、メジャーの前段階のステップという意識は最初からありませんでした。記録して伝えるという、レコードというものの基本に全てをおいているつもりで、それは25年たった今もあまりかわっていませんね。
アルケミーとは錬金術のことですが、これにもいくつかの意味があります。まず我々の好きな音楽は世間一般から見ればゴミのようなものですが、そういった音楽を録音したり励ましたりサポートすることによって、黄金よりも素晴らしい音楽となっていく様はまさに錬金術であるということ。もうひとつは同名の水木しげるの漫画にも書かれているのですが、錬金術とは石を金に変える魔法ではなく、石が金に変わると信じることによって金では得られない喜びを得ることだ、という部分です。インディーズレーベルの醍醐味はこの金で買えない喜びをいくつつなげていけるだろうか、ということだと思います。自分のバンドの作品を出すだけならお金があれば誰でもできます。レーベルはまた違う喜びがあると思いますね。(JOJO広重)

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本誌の巻頭特集は美人レコードで、にせんねんもんだいのインタビューも読める。
円盤の田口さんのインタビューもレーベルの行方について言及しているので、興味のある方はこちらも必読。

表紙のにせんねんもんだいの写真はとてもきれいだ。こんなに内容の濃いフリーペーパーを広告もなしで無料で発行するなんて、本当にすごいな。
地方の方、地方のお店などでも、申し込めば郵送してくれるそうです。
以下、farewellのページより引用。

『特別号も通常のfarewellと同様、都内近郊を中心としたレコード屋、書店、ライブハウス、映画館、イベントスペース等に配布していく予定です。また、遠方の方はもちろん、希望される全ての方に無料郵送を実施いたしております。ご希望の際はfarewell419@gmail.comまで、お名前、希望部数、配送先をご明記の上メールをください。注文は喜んで1部から承っておりますが、複数部ご注文いただいて周りの方にも配っていただけますと、さらに嬉しい限りです。』




姫ちゃん、長くあっていませんね。元気ですか。



kishidashin01 at 17:29│clip!音楽