2008年11月23日

できないじゃない、やるの

昨日、なにげなくテレビでNHKを見ていたら、素敵な番組に出会えた。

『ことば あふれ出る教室〜横浜市立盲学校〜』

どんな内容かはこの方のblogに上手に解説されている。
海紘の日々是雑感

本放送は2007年の5月にあったようだが、今回のは「国際エミー賞最終ノミネートにちなんでのアンコール放送」だったようだ。

盲学校に通う子供達。点字には「漢字」がない。なぜなら生まれながらの全盲の子供たちには「音」しかないからだ。
しかしあえて教育に漢字を取り入れ、漢字の点字を作り、ひとつひとつの漢字の意味を教えていく。

ああ、なんて奥の深い教育なんだと思う。
今の通常の学校教育ではこんな教え方はもう不可能だろう。

言葉に、一文字の漢字に、こんなにも意味や思いがあって、それがつながっていくこと。
こんな教育を受けれれば、もっともっと人は豊かになる。

番組中、子供達は大縄飛びもする。全盲なのにだよ。
そして”狂言”もみんなでがんばって発表会で演じるのだ。声が出るようにと腹筋をしてがんばる子供。
そんな子に『できないじゃない、やるの』と言える先生は、本当にすごい。
なんていう優しさだ、強さなんだ。

ラスト、卒業するこの番組の主人公・大塚優里菜ちゃんに、みんなはお別れをしのんで「寂(ジャク)!」「寂(ジャク)!」と叫ぶ。でも彼女は「幸(コウ)!」と返すのだ。この場面ではもう涙するしかない。

我々は「幸」の意味を、本当に知っているのだろうか。わかっているのだろうか。


歌を歌う人、歌が好きな人には見て欲しい番組だったな。
言葉とはいったいなんなのか、再認識できるから。


「幸」運にも、もう1回再放送があるようです。

11月28日(金)深夜3時40分〜4時10分 NHK総合
ドキュメント・にっぽんの現場[再]

関西以外は放送時間帯が違うかもしれません。テレビ欄を確認してビデオ録画してくださいね。


kishidashin01 at 21:49│clip!日常