2008年11月14日

怪獣博士の落日

私は1959年生まれ。ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、キャプテンウルトラ、怪奇大作戦、マグマ大使、悪魔くん、バンパイヤ、忍者部隊月光、赤影、光速エスパー、突撃! ヒューマン、ジャイアントロボ、クレクレタコラといったあたりはリアルタイムでほとんど見逃さずにテレビで見たと思う。

小学高学年〜中学生の時代に見たものはレインボーマン、人造人間キカイダー、キカイダー01、変身忍者嵐、仮面ライダー、仮面ライダーV3くらいで、いわゆる戦隊ものなどはほとんど見る機会はなかった。

最も「怪獣」や「怪物」「妖怪」に興味を持っていたのは小学校1年生の時だったと思う。怪獣のことならなんでも知っており、テレビに登場した怪獣の名前などは全部そらで言えたのではなかったかな。クラスでは怪獣博士と呼ばれていた。

自分でも絵やマンガを描きだしており、怪獣を創作したりしていた。
自分で考えた「幽霊怪獣・ゴースラー」(ゴーストとラーを組み合わせた名前)などは、のちに同じ名前の怪獣がキャプテン・ウルトラに登場し、ずいぶん驚いた記憶がある。
自分で創作した怪獣で好きだったのは「ヤマゴン」。私が当時住んでいた京都は盆地で、まわりが山で囲まれていることからイメージしたのだろう。
山がそのまま怪獣だったら、という想像で、ある日山が動き出し、まわりの住人が驚く、実は山は「ヤマゴン」という怪獣が何万年も眠っていたのだ、という設定だった。マンガにしたか、絵をかいただけで終わったのかは、記憶がない。

ウルトラQに出てくるケムール人は本当に怖かった。翌日からは水たまりを踏んで歩くことができなかった。
ウルトラマン/故郷は地球に登場のジャミラの話は本当に悲しかった。ウルトラマンにジャミラを殺さないでくれと、テレビを見て祈ったことを覚えている。
ガヴァドンやシーボーズは殺されずに宇宙に返された。このエンディングにはとてもあたたかい気持ちになったことも覚えている。

ウルトラQからウルトラマンの途中くらいまで、怪獣が着ぐるみで中に人が入っているとは思っていなかった。(笑)
変身したウルトラマンはさすがに中に人が入っているとわかっていたが、怪獣はああいう生き物がいたり、もしくは爬虫類や昆虫を接写して、画面に合成してテレビに映されているのだと思っていた。ビルが壊れたり、火災が起きるのもミニチュアではなく、本物の建物を壊しているのだと思っていた。

ある月曜日、学校で昨夜のウルトラマンのことをクラスメイトと話している時に事件はおきた。
私が『でもさあ、あれ、よくみんなケガしないね。上からコンクリートとか落ちてきて』と話すと、みんながキョトンとした目で私を見ている。『いやあの怪獣、トカゲとかをあんなふうに火の中にほうりこんだりしてさあ』と話すと、ますます話が通じない。

『広重くん、怪獣って中に人が入っているんだよ』
『え』

そして私は大赤面。壊れるビルが特撮で、怪獣はぬいぐるみでそこに人が入っているとは夢にも思っていなかったのだ。
友人から背中にチャックがあってそこから人が入っているのだと聞かされ、翌週のウルトラマンを目をこらすようにして、見た。
テレスドンの背中にチャックを発見し、『ホントだ』と思った。

怪獣博士の私の名誉は地に落ちたのは言うまでもない。
小学1年生、7才の12月だった。


先日、ほぶらきん/ゴースンの一生を聞いていて、こんな40年以上前の記憶を思い出した。森下くんの歌うゴースンの紹介で『身長10キロ〜体重100億トン〜!悲しいまでに巨大なこのカラダ〜!』というくだりに、いつも笑ってしまいながら、小学1年生当時の私も、自作の怪獣の絵の横に「身長○○メートル」とか書き添えていたことを思い出すからだ。
さすがの私も「身長10キロ」とは書きませんでしたがね。(笑)
森下くんには一生勝てないと思うのは、この部分かもしれません。

kishidashin01 at 22:55│clip!日常