2008年10月30日

質問の、答え

昨日のライブイベント「やっぱりギターでshow」、中盤にトークイベントがあった。

パララックスレコードの毛利女史と枡本航太くんの司会のもと、事前に来場者から集めた質問を出演者8人にふって、○×方式で答えさせたり、内容についてトークさせるという趣向である。

例えば「イカ焼きとタコ焼きとどちらが好き?」とか、「演奏することは正直、楽な仕事?」とかいったものだが、8人もいるとそれなりに回答がばらけて、聞いている人はおもしろかったのではないかと思う。特に話していたのは山本精一くんとHIDEくんだったと思うが、それも折り込み済みだったように思う。

質問がつきて、会場のお客さんにその場で質問を出してもらうことになった。これをするなら、なんのために事前に質問を集めたのかと思うが、まあしかたない。かわいらしい若い女性が出してくれた質問は「就職はしたほうがいいでしょうか?」という質問だった。

なんだかそれからは人生相談の回答集のようになり、いったい「ギターでshow」はどこにいったのかという雰囲気になってしまったが、その賛否はともかく、トーク自体はおもしろかったかな。
8人の出演者のうち、就職経験者は山本くんと大野くんだけだということがわかった。就職はしてみたらいい、いやならやめればいい、いつでもやめられるから、と大野くんの意見。山本くんは天職につけばいい、それは就職とかなにとかではなく、ホームレスが天職ならそれはそれでいいのだ、という意見だった。HIDEくんは自分の好きなこと、やりたいことやったらえんちゃう?といういつもの彼の持論。やがてそもそも社長というものは、という批判調になり、普段は「社長」と呼ばれているわたしは小さくなるはめになり、山本くんに「生きてる価値なし」とか言われて、おおいに失笑しました。(笑)


いつだったか、元SS、当時はコンチネンタル・キッズをやっていたしのやんに『JOやん、大学出てたんやってなあ。しらんかったわ。大学出てたら、なんとかなるんちゃうん?(こんなことしてないで)』と言われたことをよく覚えている。
つまりは高校や大学に行ったり、就職したりすることが出来ないからミュージシャンとかやっているわけで、そうでなければ、大学になど行ける環境にあったのなら、なぜまともなところに就職しなかったのか、ということであろう。
これはこれで、言い得ている。ミュージシャンとかアーティストとかいわれて格好よさげだが、一昔前ならつまりはヤクザやチンピラなわけで、まともなやつらならこんなこといい年になってまでやっていない、ということは、ひとつの正論だからだ。

私も「就職できるならしたほうがいい」という意見だなあ。就職したくても就職できない人はたくさんいるわけで、若くて元気なら、とりあえず何かをしたいとかもないのであれば、とりあえずでもいいから就職するのもいいと思う。
その入社した会社がよくても悪くても、いままでとは知らない世界と接したり、普段なら話すことはない人たちと話す、一緒に仕事する、生活する機会が増えるわけで、それだけで人生に今までと違った風が吹くことになる。

それがこわい、それがいやだというのもわかるけれど、結局はいやな思いをしたほうが、その後の人生に役立つことはけっこう多いんだよなあ。HIDEくんとは意見が異なるが、好きなことだけして生きていくなんて、はたして出来るのだろうか。好きなことをして、好きなように生きて、それでいて人生の終盤は幸せな家庭と子供と、家と車と、健康で悠々自適の老後を望むなんて、そんな人生がありえるんだろうか。
使った貯金はなくなる。なくなってからほしがったってだめなことは、ウィトゲンシュタインの哲学書ではなく、イソップ寓話の「アリとキリギリス」に書いてあったのではなかったか。

「なにをしていいかわからない」という人も多いが、かといってなにもしなくてはなにもかわらないわけで、なにかをしてみればそれによってとりあえずは生活に波紋がおこる。その波に乗っていけば次の場所に行けるかもしれないし、この波は違うと思えば降りればいいだけのことなのだ。

質問したかわいい女の子、就職、してね。就職は仕事をすることだ。それは給料をもらうことや、その会社で人生経験を積むことだけでなく、仕事をして世の中に、世界に、なにかを返していく作業でもあるのだ。今までもらったものを、返す時期にきているのだよ。もらってきたものが多すぎればたっぷり返すことになるし、足りなかったのなら得るもののほうが多いかもしれない。他人より人一倍多く働けばいいのだ。他人より多く働いた部分が徳になり、それがやがてくる幸せになって返ってくるのだから。




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