2008年07月28日

三人の詐欺師

このblogの読者さんから『A.マッケンの『パンの大神』を挙げられていて、個人的にあの「禍々しさ」はラヴクラフトを随分先んじていたと思っていたので何か嬉しかったです』というメールをいただいた。いつも読んでいただいている様子、ありがとうございます。

アーサー・マッケンはそんなに有名な作家ではないのかもしれませんが(こんなことを書くと「十二分に有名だ!」とおしかりをうけるかもしれませんが)、アルケミー関係者にはなじみの深い作家なのです。
代表作は東京創元社から文庫で出ていた「怪奇クラブ」になるのかな。これは「三人の詐欺師」というのが正式なタイトルで、1895年に書かれた作品ですが、今読んでも非常に怖い、ゾッとする怪奇幻想小説。
怪奇クラブ (創元推理文庫 F マ 1-1)


この「三人の詐欺師」はなぜか子ども向けの装幀で「ゆうれい屋敷のなぞ」というタイトルでポプラ社から出版されていて、こんな禍々しい小説を子供に読ませていいのかなと思ってしまう。
ただ「ゆうれい屋敷のなぞ」はちょっと内容をはしょってはありますね。でも「暗黒の谷」のあの怖いリンチ事件、「兄の失踪」のあの怖いセリフ、「黒い石印のはなし」「白い粉薬のはなし」のあの怖い話もきちんと書かれていて、これを読んだ子供は人生の道を誤るかもしれないとすら思ってしまう。今は絶版かもしれませんね。
ゆうれい屋敷のなぞ (ポプラ社文庫―怪奇シリーズ (39))


マッケンの全集は沖積舎からの復刻版を10数年前に購入したが、80年代の末頃、オリジナルの牧神社のものを数冊、マルカバツの吉本さんからもらった記憶がある。今も大切に書架の中に鎮座していますよ、吉本さん。


kishidashin01 at 18:47│clip!読書