2007年06月15日

若いこだま

昼間に渡邉浩一郎の生前の音源をまとめたCDアルバム「まとめてあばよを云わせてもらうぜ」を聞いていた。
コウイチロウはウルトラビデのメンバーであり、もちろん生前はこんなアルバムをリリースする予定はなかったが、死後、有志が気持ちをこめて私家盤に近い形でリリースされたCDだ。

コウイチロウはシャイだったから、生きていたらこういうアルバムは発表しなかっただろう。しかしコウイチロウのやっていた、やろうとしていた音楽や表現はユニークでおもしろいものが多い。このCDを聞いているだけでも、その後に登場した音楽のずいぶん先を行っていたことがよくわかるし、未だにこの感性には感服するものが多くある。

このアルバムをアルケミーで復刻して、後年の若い世代に伝えたい、儲けるつもりは一切ないし、利益が出た場合は全額遺族に渡したい、という旨で数年前に復刻の企画案を作ったが、このアルバムの制作にかかわったスタッフに賛同はえられなかった。
これは追悼の意味で出したものであり、同じものを出すのではなく、新たに編集して出すべきだ、という意見が多かったように思う。

実際は多くの共演者に理解や了解を得なければならず、リリースには不可能な可能性のほうが圧倒的に高いため、企画は頓挫している。

コウイチロウの音源を、ペンペンズのモタコくんや、彼らの世代に聞かせたい、影響を与えたい、また彼らから感想などを聞きたい、という夢は、あまりかないそうにない。


今日はAMSでムーン♀ママ(ぴかちゅうのギター弾き語り)、枡本航太くんのソロというライブがあった。

あふりらんぽはプリミティブ、そしてシャーマニックなエネルギーの放出が魅力的なバンドだと思うが、オニちゃんのソロ、ぴかちゅうのソロは、ちょっと違う。
もっと「自然」、つまりネイチャーな感じに近いものを感じる。オニちゃんは太陽なら、たしかにぴかちゅうは月かもしれない。太陽はあまねくを照らすが、月は夜空に輝いて夜を照らす。

今日は「お母さんのうた」を聞かせてもらった。オニちゃんもそうだが、ぴかちゅうも、枡本航太くんも、素晴らしい母親・父親になるだろう。
子供が喜ぶ歌を、いっぱい歌えるだろう。そんな姿が目に浮かぶようだ。

枡本航太くんのソロは、楽しく、そしてハートフルな歌とギターをたっぷり聞かせてくれた。彼のルックスは、かつてアウシュビッツに一時期ドラマーとして在籍していたオレンジを思い出させるが、もっと根本的にホットである。
彼のようなライブを、もう30年以上前に、京都のほんやら堂か、赤ずきんというフォーク喫茶で聞いた気がするが、詳しくは思い出せない。

枡本くんは「裏声がカヒミ・カリィに似ていると言われる」と、もちろん冗談ステージトークで語っていたので、大友良英さんを通してカヒミ・カリィさんに伝えておきますね。(笑)


しかし、今夜のこのふたりはもちろん、モタコくんといい、佐伯くんといい、ミッコくんといい、なんと未来のある才能がこんなにもいるのだろう。もちろんあっこちゃんもなおっぺもジュンゾくんも、手水もとうめいロボも、みんな楽しみだ。
日本の音楽がつまらない、若い世代がつまらないなどという音楽評論家や、評論家ぶったリスナーの意見など、みんな無視するべきだ。今の日本の若手の音楽は、世界一おもしろい。

冒頭のコウイチロウのCDにはウルトラビデのテイクも収録されている。「若いこだま」というスタジオテイクには
『おじいさん(の言葉には)悪意がある。若い人には悪意がない』
という歌詞があるが、どうきいても「あくび」にしか聞こえない。おじいさんにはあくびがある、若い人にはあくびはない、らしい。

じんせいの、あ・く・び!
BIDEくん、やっぱり君は天才やわ。


kishidashin01 at 23:47│clip!ライブ