2011年01月

2011年01月31日

70年代後半〜80年代前半の関西アンダーグラウンドの記録 ─ 「どらっぐすとぅあ」チラシ展

2月2日から7日まで、渋谷アップリンクファクトリーに併設のギャラリースペースで、「70年代後半〜80年代前半の関西アンダーグラウンドの記録 ─ 「どらっぐすとぅあ」チラシ展」が開催される。

70年代後半〜80年代前半の関西アンダーグラウンドの記録 ─ 「どらっぐすとぅあ」チラシ展

これは私が個人的に保存していたもので、1977年〜1982年くらいまでのチラシ。主に自分が出演したもの、すなわちウルトラビデや非常階段、第五列関係のものが多いが、そのほかのイベントのものもたくさんある。
先に出た単行本「非常階段〜A story of king of noise」に収録したものもあるが、掲載された写真は小さかったので、現物を見るとまた迫力が違う。
また書いてある文章も興味深いものが多い。例えば19才のJOJO広重が、17才のBIDEくんが音楽についてどう考え、どう対峙しているのかなども文章で掲載されている。

昨年私は英国の音楽イベントに呼ばれ、そこでやはり1970年代後半にアメリカ西海岸で変わった音楽活動を行っていた集団「L.A.M.F.S.」の当時のチラシ展を見る機会があった。なにか世界で同じ時期に同じようなヘンテコな音楽の取り組みや紹介をしていたのだなと、とても深いシンパシーを感じたものだった。

2011年にこのチラシの現物を見ることは、なにか特別な意味や価値があるかもしれない。そうなったらいいなとも思う。
お時間ある方は足をお運びください。


kishidashin01 at 16:14|Permalinkclip!音楽 

2011年01月30日

映画『堀川中立売』

映画『堀川中立売』を見た。

監督の柴田剛氏は神奈川県出身だが、ボアダムズに感動して関西に引っ越し、大阪芸大で映像を学んだらしい。
オシリペンペンズのモタコくんも大阪芸大出身だが、そういう縁もあってか、この『堀川中立売』ではモタコくんも主演級で出演している。

映画は複数のストーリーがからみあって進行し、ややSFチックな展開もいくつかあるが、基本はスタンダードな映画作りが行われている。出演者の多くは破天荒ではあるが、映画としては破天荒ではない。このあたりがおそらく柴田監督がやがて商業作品を作るのだろうと思うきかっけとなった。

もちろんそれは卑下しているのではなく、監督がやがては映画の王道を進むはずであるという才能の豊かさへの期待でもある。ボアダムズが最初はインディーズのスカムなバンドだったのが、だんだんにメジャーなバンドになって海外でも評価されていくような、柴田監督もそうなっていく逸材であるということだと思うのだ。

この『堀川中立売』、モタコくんには申し訳ないが、一番印象に残った出演者はタージンであった。あの毒々しさは特別なものがある。

混濁した映画ではあるが、不思議と整合性がとれている。エンディングではおそらくあの男は死ぬのだろうと早々に想像してしまうが、けっこう意外な着地点だった。


君はこの映画だと、誰なんだろう。
私はどれなんだろうか。



『堀川中立売』によせられたコメント


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!映画 

2011年01月29日

京都でライブ

京都木屋町アバンギルドでライブ。

「夜艶階段」というトーク&ライブ、実は東京で2回ほど行われているようで、その京都編だった模様。なるほどね、と、会場に着いてから気づく。

南謙一さんは初見。21世紀のBIDEくんとtaiquiくんは言っていたが、もっと上品で(笑)、私はブルース・スプリングスティーンを思い出しました。熱いチューニング、よかったです!

環(taiqui&出雲麻紀子)も初見。なんだかケイト・ブッシュを思い出しましたが、当たっているかどうかはわかりません。taiquiくんの歌は再結成ウルトラビデでもやってたあの曲でしたね。

日比谷カタンさんは3回目なので、そろそろ演目の曲も覚えてきました。トークと演奏と歌の炸裂、見事でした。

私のソロは、この間のベアーズでも歌った「今日の日はさようなら」と、スキヤキソングを初めて歌ってみました。時間制限もあったのでやや短めの演奏。

終演後のトークイベントがこの「夜艶階段」の白眉だったのかもですが、そう言えば東京勢3vs京都生まれの関西人2で、ややアウェイ感も。(笑)
もっと時間があれば話も炸裂したのかな?
途中、観客からの闖入者にはキツメの対応しましたが、許しておくれ。

いろいろ御世話になりました。
またいつかどこかでご一緒しましょう!


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!ライブ 

2011年01月28日

「電筆」選の理由

「とっておき名短編」の中でベストに松本清張の「電筆」を選んだのは、先に書いた通りその文章力、文体の素晴らしさにしびれたわけだけれども、その内容でも共感する部分があったことも間違いない。


私は断易という占いを使っているが、この戦国時代に中国であみ出された占いは江戸時代に日本に入って来て、何名かの代表的な先人によって日本向けにアレンジされていく。そして私の師匠のお母様の代で急激に進歩し、まさに現代にマッチした占い方法に完成されていくのである。

私ももっと文章力が上達したら、この「電筆」のようなタッチで断易の日本における発展の様子を記録しておきたいと思う。

それにしても私の師匠や、師匠のお母様の断易における発想の自由さ、大胆さには舌を巻く。目から鱗の連続である。つまり本質を見抜く鋭さだと思う。これは原理至上主義では決して実現しない。

視線の水平さ。それでいて斬新さ。

いつかきちんと記録しておきたいと思う。




kishidashin01 at 00:05|Permalinkclip!占い 

2011年01月27日

おべんとうの時間

おべんとうの時間おべんとうの時間
著者:阿部 了(写真)
木楽舎(2010-03-30)
販売元:Amazon.co.jp
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JOJO広重はこんな本を読むと、泣いてしまう。
その見本のような本だ。

おべんとうという題材がいい。
登場人物がみんなその街の普通の人々というのがいい。
おべんとうの写真がいい。
おべんとうの持ち主の写真がいい。
そしてどのおべんとうもおいしそうで、愛と生活があふれだしていて、いい。


私は時々、普通の人間の普通の生活がいかに重要で素晴らしいかを語る時があるが、それはそれが真実だからだ。本当の幸福も喜びも、そこにある。
例えばアーティストやミュージシャンの語る哲学や悩みや思想が素晴らしいと感じる時は確かにあるが、市井の人々の哲学も悩みも思想だってなんの格差もなく素晴らしいものがあるではないか。
この「おべんとうの時間」はそのことを写真と文章で証明したような本だと思う。

ここに登場するおべんとうの数々。
妻が、母が、自分で、誰かのために、子供のために、愛する人のために、ただただお昼ご飯のために、工夫して、おいしく食べられるように、食べやすいように、力がつくように....そんな思いがいっぱいつまったおべんとう。
おべんとうの写真がこんなにおもしろく、切なく、美しく、力強く、あたたかいものだとは。ひたすら感動してしまう。

私が好きなのは沖縄の高校生のおべんとうとそのエピソード。
そしてハート型の卵焼きと、それを見つけた娘さんのコメント。
もうボロ泣きです、ハイ。
JOJO広重お薦め図書!


kishidashin01 at 01:16|Permalinkclip!読書 

2011年01月26日

とっておき名短編

とっておき名短篇 (ちくま文庫)とっておき名短篇 (ちくま文庫)
筑摩書房(2011-01-08)
販売元:Amazon.co.jp
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北村薫/宮部みゆき編「とっておき名短編」はkankotoさんが自身のブログ「戯言スクラップブック」で紹介されていた文庫本である。kankotoさんは読書家&音楽ファンで、私とも接点があって、彼女のブログはちょくちょく読ませていただいている。なので彼女が紹介している書籍にはちょっと興味がある。

この本のような、何人もの小説家によるアンソロジー本は、好きだ。例えば音楽で言えば複数アーティストによるオムニバスアルバムのような、1枚でいくつもの個性を楽しめる魅力がある。
一昨年、「日曜日の歌」という女性ボーカルのコンピレーションアルバムを企画してあるレコード会社の方に提案したところ、「オムニバスは売れないから」とあっさり却下されたことがあった。売れるか売れないか、という選択肢なら、書籍の世界でもアンソロジー本は単独の作家作品よりは「売れない」と評価される口だろうか。しかし今回のように選者が著名な作家ならという保証付きなら、今でも実現する企画なのかもしれない。

kankotoさんはこの本の中では深沢七郎の作品がお気に入りのようだった。深沢七郎の2編のみならず、ここに収録された作品はどれもレベルが高い。巻末には選者による解説もあり、それを読んでから再読すると深みが出るという工夫もされている。
深沢作品はもちろん好きだし、この「絢爛の椅子」「報酬」も内容はいいのだけれど、例えば巻頭収録の穂村弘「愛の暴走族」の感覚の新しさと比較すると、やや古さを感じてしまう。それでも現在のわけのわからない犯罪の多くの深層は、深沢の「絢爛の椅子」に描かれている感覚と実際はそう差異はないのかもしれないが。

私がこの本の中で一番気に入ったのは松本清張の「電筆」だった。内容は読んでいただければわかるが小説と言うよりは伝記ものに近いが、やはり松本の文章、単語、熟語の配置の美しさに堪能してしまう。
「サッコとヴァンゼッティ」はやや冗長な作品だが、最後のヴァンゼッティのセリフがいい。
『おれたちの命、俺達の苦しみ−−そんなものはなんでもない。お人好しの靴屋と、貧乏な魚売りが殺されかかっているだけですよ。』
このあとのセリフも秀逸。

最後に収録された「異形」もよかったな。なんともいえない読後感が残る。薄汚く、美しく、そして切ない。

なんだかもっともっと本が読みたくなった。
本の面白さは、このもっとその先を読みたくなる感覚につきる気がする。



kishidashin01 at 00:38|Permalinkclip!読書 

2011年01月25日

京都・同志社大学・至誠館

今日はラジオ番組「大友良英のJAMJAMラジオ」収録に出演のため、KBS京都へ。

そのKBS京都のスタジオに行く前に少し時間があったので、御所の北側にある同志社大学のキャンパスを訪れてみた。

私は同志社中学〜大学に10年間通った。同志社中学は今年から岩倉に移転してしまったため、大方の校舎は取り壊されて撤去され、更地になっている。
しかし私が中学1年生の時のクラスがあった「新彰栄館」は取り壊されることなく存在していた。隣にある彰栄館が国の重要文化財に指定されているため、この建物も共に保存されるのなら、ちょっと嬉しいな。
twitterでつぶやいたら、オリジナル・ウルトラビデのドラマーだったtaiquiくんのお父様(建築家だった)がデザインされたのが新彰栄館だという。意外なところでつながっていたのだ。

非常階段のライブは私が同志社大学在籍時に、商学部のクラスがあった「至誠館」で3回行われている。至誠館2階、S24番教室だ。おそらくウルトラビデのファーストライブもこの教室だったはずである。
F1001043

丁度授業が行われていなかったため、ちょっと無断入室して写真を撮らせてもらった。こんな狭い教室だったのかと、ちょっとびっくり。
やはりtwitterでつぶやくと、twitterのフォロワーで私のファンでいてくれているChinatumoさんがこの至誠館で自分もライブをしたことがあるというツイートがあった。あらまあ、こんなところでつながっているとは!

明徳館の学食も訪れてみたがお昼時で満席。自販機でコーヒーを買って、明徳館前のベンチに座って休憩。明徳館の一部がカフェになっていたが、私が在籍していた時はこれはなかったな。しばし学生時代の思い出にふけった。


KBS京都で大友さんと合流。おもしろいトークが出来たと思います。非常階段の特集で1月28日(金)深夜0時半よりの第41回と、2月4日(金)深夜0時半の第42回の2回にわけて放送されます。非常階段結成以前のテイクなども放送されますので、ぜひ聞いてくださいね。

KBS京都の電波が入らない地域の方はキーホールTVをパソコンに導入すれば聞けますよ。
よろしく!



kishidashin01 at 20:32|Permalinkclip!日常 

2011年01月24日

容量

私のtwitterを見ている人なら分かっていることだが、仕事で使っていた2台のパソコンがこの1週間で次々と壊れてしまった。

以前からフリーズしたり、急に電源が落ちたりしていたから、そろそろ寿命ではあったのだろうけれど、やはりあせる。

ハードディスクには異常がなく、主立ったデータは全部吸い出せたし、使えるパーツもたくさんあるので、たいした経費もかからず再生、2台の仕事を1台ですることにしてみた。

私はそこそこのDOS/Vパソコンを組み立てるくらいの知識はあるが、最新のものはあまり触っていない。かなり進化しているはずだけれど、文章を書いたり、ネット関連で使っている程度なら数年前のスペックで十分、OSもXPでOKだ。

しかしHDDはもの凄い大容量になっている。古いパソコンで使っていたハードディスクは160Gとかせいぜい500Gくらい。SATAですらなくIDE接続の低容量3.5インチハードディスクだものなあ。

今はSDカードが8Gだと1000円を切っているわけで、今はこういったカードに音楽や映画のデータを移して携帯やi-pad、i-podのようなもので楽しむようになっているのだろう。

CDというメディアはせいぜい700Mくらいしか容量がないわけで、非常に卑小なメディアに見えてしまう。8GのSDカードが780円、CDRメディアは20円程度という現実を考えると、日本のアーティストのCD定価2800円というのはもう法外な値段なのかもしれない。

CDはどうなっていくのだろう。
音楽はどういう形態で流通するのが一番望ましいのだろう。
もう何年もこの答えは出ずじまいである。



kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常 

2011年01月23日

音楽を楽しむ

昨日のライブも不思議な感覚だった。

だいたいがエヴァンゲリオンとかけいおん!とか、そういったものにJOJO広重とかナスカ・カーが関わっていることが不思議だ。どう考えても私が「残酷な天使のテーゼ」を歌わなくてはいけない理由はわからないが(笑)、それなりに展開とオチはついたように思う。しかし、不思議だ。

競演したメンバーや来場してくれた方々の何人かは20代前半のはずで、私の年齢の半分くらいだろう。そういった仲間と音楽を通して遊ぶ・楽しむ・真剣に取り組む。こういったことを実践できることは、本当に不思議な体験な気がする。

そしてそういったことがtwitterやブログを通して何百人、何千人の人たちに寸時に伝わるのだ。こんな愉快なことはない。

なにが暗い世相なものか。なにが音楽はもう売れないだ。ライブハウスに客が来ない?ustreamやtwitterの弊害?
こんなにおもしろい時代に我々は生きているではないか。もっともっと音楽を、ネットを、世界を楽しもうではないか。
やり方はいくらでもあるはずさ。

でないとJOJO広重は白波多カミンや長濱礼香と一緒にエヴァやけいおん!を楽しんでいるこの図は説明がつかない。(笑)

kishidashin01 at 22:32|Permalinkclip!音楽 

2011年01月22日

いつまでも絶えることなく友達でいよう

ベアーズでライブ。シレトコ企画「エヴァんけいおん祭り」で、エヴァンゲリオンとけいおん!をテーマにした企画ユニットの競演。

最初の女子バンド「放課後ティータイムス」がまんまけいおん!のコスプレでかっこよかった。白波多カミンちゃんのコスプレがもうはまりにはまっていて、誰しもが萌えた(?)かも。(笑)かわいかったですね。
しかしカミンちゃんとようケロさんは実はエアギターで、後ろで礼香ちゃんとスハラくんがサポートギターしていたのが愉快でした。まるでセックス・ピストルズがライブの時はステージ裏でクリス・スペディングがギターを弾いていたような感じでした。

No.305は初見でしたが、ほぶらきんのカバーを含む二次元愛(?)に満ちた強烈な演奏。びっくりしました。

シレトコは見れなかったな。エヴァのコスプレがあった模様。

JOJO広重withナスカカーは、kishidashinばりの映像+即興+歌でしたが、「残酷な天使のテーゼ」から「天使の恍惚」の山下洋輔トリオの演奏の流れで「残酷な天使の恍惚」って、ナカヤさん、大方のお客さんには意味わからなかったと思います。(笑)

しかしユニークな企画でした。
カマチさん、またよんでください。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!ライブ