2009年12月

2009年12月31日

it’s all for the sake of future days

10代の頃は、自分が50才まで、21世紀まで生きているとは夢にも思わなかった。どうせ見捨てた人生、生きていたっておもしろいことなんてあるはずがない、そもそも自分など生きている価値などない、さっさと消えろ自分、短く凄惨に生きるのだと考えていた。

ずいぶん勉強して、生きることとはなにか、死ぬこととはなにか、価値や意味という言葉のもつ意味のなさに気がついたのは、20代半ばだった。今の占い/断易の師匠のお母様に25才の時に出会ったのが人生の転機だったように思う。

それから25年、たった25年かもう25年か。いや、たった25年だろう。でも、生きている価値などないと思ったことも、その後に思ったことも、それはそれで自分の中に腑に落ちている。20才でわかることもあれば50年生きてみないとわからないことも、ある。

そして未来とは、自分の未来だけでなく、自分の死後のこと、人なら自分の子供の先、孫の世代のことを十分に考える必要がある。
音楽なら、自分が演奏すること、それがその先に伝わること、そして21世紀後半とか22世紀にどう残していくか、どう伝えていくのかを考えるのだ。

CDパッケージが売れないとか、ライブハウスにお客さんが来ないとか、当面の問題はそういったことかもしれないが、本当はもっと先を目指すために今しなくてはいけないことがあるはずだ。


it’s all for the sake of future days.


2010年に自分が生きているなんて思っていなかったのだから、これは余録の人生のようなものだ。そこでもう少しだけしたいことをさせてもらうよ。
2010年もよろしくおつきあいください。


kishidashin01 at 12:52|Permalinkclip!日常 

2009年12月30日

モヤサマ2時間半

モヤモヤさまぁ〜ずというテレビ番組をおしえてくれたのは、カード関連のSさんである。ローカルな町に出かけ、決していけてるとは言いがたいお店や場所を訪れて、脱力感的なトークと笑いで進行する、本当にどうでもよさげな番組だが、その時間の流れがなんとなくおかしく、毎回ではないが、ついつい見てしまう。

今日は2時間半にわたる年末特番だったが、内容はいつものノリが長くなっただけで、苦笑しているうちになんとなく最後まで見てしまった。
私は普段はめったにテレビは見ない。
テレビを2時間以上見るなんて、たぶん今年初めてだろう。

似た番組にNHKの「鶴瓶の家族に乾杯」があるが、あちらは田舎の人のよいおじちゃんおばちゃんの人情味あふれるので、つい涙ぐんでしまう。

人間性善説というものを、こういったテレビ番組で信じること。あんがい日本の若者にはこの手のやり方が一番浸透するのかもしれないなどと思ってしまう。


私のブログだけを読んでいてライブを見たことがない人も多いに違いない。けっこういい人とか思っていて、地獄のようなライブを見て驚く人もいるでしょうね。(笑)
JOJO広重性善説とか、誰かとなえてくれますかね。(笑)


kishidashin01 at 22:05|Permalinkclip!日常 

2009年12月29日

2009年をふりかえって

今年をもう振り返ってもいいだろうか。

ライブ。
今年もたくさんライブをしたけれど、非常階段は多かった。
スェーデンやドイツでのライブ、アシッドマザーズ階段、坂田明さんを迎えた大阪ベアーズのワンマン、名古屋での原爆階段、新宿ロフトでの原爆階段&原爆スター階段など、エポックメイキング的なライブも多かった。
先日の豊住さんとのセッションも含めて、ジャズを考えるライブになったシチュエーションがいくつかあった。
ドラマーはなおっぺが脱退してからは空席だったけれど、元サバートブレイズの岡野太が正式ドラマーになったほか、高知で出合ったドラミちゃんとの出会いも未来につながりそうでうれしい。

ソロもたくさん演奏したけれど、山家暁子さんと高円寺ペンギンハウスで行ったデュオのライブが私の今年の最高の出来のライブだと思う。
ゆーきゃんとの出会いから、新宿モーションで行ったうたものライブも印象に残っている。

ジ・オリジナル・ウルトラビデも再結成し、何度かライブを行った。京都のボロフェスタでの演奏がよかったかな。
螺旋階段の30年ぶりの再結成というのもありましたね。
アウトドア階段というのも大阪と高知でやりましたね。

おもしろかったのは早川義夫カバー大会。山本精一、スハラケイゾウとのトリオによる2度のアンコール演奏もおもしろかった。

新人では山家暁子、穂高亜希子というふたりの女性アーティストとの出会いがあった。これは来年につながっていきそう。

リリース。
非常階段CD30枚組ボックス、ほぶらきんの森下太郎ソロ、DVDR商品なども楽しかった。Pヴァインからはとうめいロボのセカンド、中山双葉のセカンド、再発で羅針盤の初期3枚、突然段ボールの「抑止音力」もリリースされた。
出版では「キリイシ」、平山ろこうの怪談集も大きなリリースでしたね。

映画。
やはり「尻舟」かな。関西の夜明けの感あり。
佐伯くんがカメラを担当した「あがた森魚ややデラックス」も楽しかった。

そのほかは占いとか、カードのほうでもいろいろあって、多忙な1年でした。
占いについては詳細は書けないが、まあたいがいおもしろかったです。


来年への宿題となったのは「非常階段30周年記念本」の出版。きっと1月出版ももうないだろう。2月もあやしいかも、と思いだしている。
となると、もう来年中に出ればいいかなという気分になり、結局出なかったりして、という観測も。(笑)
その場合は入稿した原稿も引き上げて、自主で出そうかな。

というのは「キリイシ」がほとんど自費出版のような仕様で完成されていること。夢の実現は自分自身でがんばるべきだというのはよくよくわかっているからね。

来年は自分の本を出したい。いくつかお話もあり、実現に向けて努力します。


とにかく新しい出会いのたくさんあった一年だった。
悲しいお別れもいくつかあったけれど、それも未来につなげて行きたい。
人生で無駄な出会い、無駄な出来事など、ひとつもない。いいこともよくないことも、正しいことも正しくないことも、嬉しいことも悲しいことも、みんなつながっている。そこの中で自分自身が成長すればそれでいいのだ。

未来は、まだ、残っている。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!音楽 

2009年12月28日

NHKFM

先週土曜日にソルマニアの大野くんからメール。
NHK-FMを聞けという。

たまたまラジオを聴ける環境になかったので残念だが、音楽番組で「SOB階段」の"ノイズ・ヴァイオレンス&デストロイ"がかかったそうだ。

ゴンチチに対してゲストのエゴラッピンが三上寛やSOB階段をかけてなにやら撃沈させるような企画だったようだが、さぞ愉快な展開だったろう。

しかしNHKでノイズ・ヴァイオレンス&デストロイ!
ははは。

昨日は美川氏が「日経新聞を見たか」ときいてきた。
持参してきた切り抜きには、日経新聞の文化面に地引さんの著作が顔写真入りで紹介されていた。
オプトラムの伊東くんが「"文化"ですか!地引さん、すごいですね」と言うので、いやいや、地引さんが凄いのではなく、日経がダメなんじゃないの、とジョーク。みんなで笑いました。

オレたちのやっていることが、NHKや日経で「価値がある」なんて、笑っちゃう。"文化"ねえ。ふふ。


kishidashin01 at 13:00|Permalinkclip!音楽 

2009年12月27日

新大久保でライブ

非常階段でライブ、今日は豊住さんとの共演でした。

豊住芳三郎さんは多分45年はプレイされているフリージャズの重鎮ですが、偉ぶった態度はまるでなく、最新のノイズにくらいつくようなドラミングは見事でした。我々も勉強になりました。
ありがとうございました。

牧野くんにはお祝いの言葉も言えたし、元スタジオヴォイス編集長の松村さんとは未来に続くお話をいただいた。
人で未来はつながっていく。
友人、知り合い、取引先、そういった人々こそ、本当の財産だと思う。

たくさんの友がいること。
それが人生で一番大切なことかもしれない。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!ライブ 

2009年12月26日

東京へ

明日の新大久保アースダムでの非常階段のライブのため、東京へ。

夜の7時代の新幹線だったが、ガラガラで、自由席の車両に最初は私ひとりしか座っていなくて、列車をなにか間違えたかと思ったほど。
帰省ラッシュにはまだ数日あるのだろう。

お盆の時期とかもそうだけれど、年末年始も普段の街にいつもと違う種類の人々が行き来する。その光景はちょっとおもしろい。

先日も、心斎橋のど真ん中にいるのに『心斎橋ってどこですか?』と訊いてくる若い女性にどう答えたらいいか、ちょっと迷ってしまった。

占いのお店に来るのに、何度電話してもたどりつけないお客さんも。看板があっても見えないと意味がないものねえ。

東京に着いて、山手線に乗った時も、なんとなくいつもの東京と雰囲気が違うことに気がつく。

風向きが違う時は、気をつけて。

こころの中で、そう思うことにしている。



kishidashin01 at 23:03|Permalinkclip!日常 

2009年12月25日

太陽はあまねくを照らす


後ろ向きながら歩くのは、歩きにくいよ。

下向きながら歩くのも、歩きにくいと思うな。

道を歩くのも、人生を歩くのも、前を向いて歩いたほうが歩きやすい。

たまには後ろも向かないとね。

横も上も下も見ないとね。

でも、ずっと見ていて歩くのは、つかれるよ。



頭を45°も傾けて歩くのは歩きにくいでしょう。

元に戻せばいいんじゃないかな。

斜めにばっかり見て歩いていると、どんどん道をはずれてしまう。

元の道に戻った方が、結局は近道だったりするよ。



涙をいっぱい流したら

水をたくさん飲まないとね。

また涙を流す時に、枯れていてはいけないから。

それと、笑顔になる時に、こわばっていては笑えないから。

水をたくさん飲むといいよ。

嬉し涙を流すのにも、水は必要だしね。



夢をみるには、眠らなきゃ。

ずっと起きていたら、夢はみれないよ。

朝は必ずやってくるから。

朝起きたら、自分はもう未来にいるのだから。

夢を見ていれば、自動的に朝はやってくるのだから。

太陽の光は、わけへだてなく、すべてを照らすから。



kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常 

2009年12月24日

非常階段、本年最終公演

今月27日・日曜日、新大久保・アースダムで非常階段の本年最終公演があります。


「非黒光湯」
12月27日(日)
新大久保アースダム

<出演>
非常階段 featuring 豊住芳三郎
宮西計三ONNA
Hair Stylistics + Toshio Kajiwara Duo
SEX -Virgin Killer-
真実彦 (HIKO from GAUZE + 坂間真実)
湯浅湾
Optrum
黒パイプ

これだけ見れて前売り2500円!(当日2800円)
安い!
17:30スタートと少し早いので、みなさん遅れないようにおいでください。


豊住さん(サブさん)の演奏を初めて聴いたのは、70年代、阿部薫とのデュオのアルバム「Overhang-Party」だと思う。高柳昌行ニュー・ディレクションのレコードは当時入手できなかったからだ。
フリージャズに転向される前はミッキーカーチス&サムライにおられたはずで、これまた当時は聞くことが出来ず、後年CDで聞いた記憶がある。
今年は非常階段は8月に坂田明さんと共演した。12月に豊住さんと共演できるなんて夢のようだ。
非常階段は絶対にジャズではないけれども、ジャズの要素のたくさんあるロックバンドだとは思っている。さて27日はどんな演奏になるか、ワクワクしているのだ。

対バンの"真実彦"のHIKOさんも、数年前に非常階段にドラマーとして客演してもらった経緯がある。Hair Stylisticsの中原くんとはトークイベントやインタビューでは何度も会っているけれど、ライブではずいぶん久しぶりか、もしかしたら初めてかもしれない。

非常階段の出番はたぶん最後だと思います。9時ころに来店されても間に合うはずです。当日はたぶん都内でおもしろいライブがあちこちであるでしょう。ぜひハシゴしておいでください。
非常階段の東京公演はしばらくないと思います。(笑)その意味でも、お見逃しなく。

kishidashin01 at 21:28|Permalinkclip!ライブ 

2009年12月23日

Ice Cream for Crow

来年3月から隔月で、山家暁子さんとギター演奏による連続ライブ企画をすることになった。
タイトルは「Guitar Unlimited」となるはずで、私と山家さんのセレクションによるギタリストとの共演、そしてギターの可能性を無限大に引き出すライブになるようにと考えている。

第一回は2010年3月13日、高円寺ペンギンハウス、共演は灰野敬二さんになる予定だ。

山家さんは日本唯一、いやもしかしたら世界唯一の女性ノイズギタリストだが、彼女のギターの可能性ももっとこの企画で引き出せたらと思っている。


むちゃくちゃな音、グシャグシャなサウンドが「狂ったような」音と表現されることが多いが、いくら音が究極のぶち壊れたようなものであっても、音の奥深くの狂気が感じられなくては、ちっとも過激ではない。

私が、ああ、このギターの音は恐いな、本当に狂っているのかな、と感じたのは、最近では山本精一くんだが、最初に感じたのはこのキャプテン・ビーフハートの「Ice Cream for Crow」の曲を聞いた時だと思う。

この妙に明るく、軽妙に反復するギターをよく聞いてみるといい。
私は今聞いても、ちょっとぞっとします。




このPV、撮影は「悪魔のいけにえ」のカメラマンなんですね。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!音楽 

2009年12月22日

その気になってるわ

高知には尾谷とふたりで高速をレンタカーで向かった。
車中ではいろいろな音楽をかけたが、今回は私が用意したものの中で、尾谷は中山ラビが気になったようだ。
おそらく聞いたことがなかったのだろう。

この曲は「ラビ 女です」というアルバムに入っている。


"その気になってるわ"

おぼえてる アンタ 海辺のあのこと
陽が落ちて人がいなくなり
桜貝もミドリに変わり
買いたての水着きてみた
腕ぐみしながら思ったわ
あたしアンタをはなれない
その気になってるわ
あたしアンタをはなれない


この、女性が彼氏のことを「アンタ」と呼ぶのが、このレコードを70年代当時聞いていた高校生であった私には、なんだか大人びて、そして新鮮に聞こえた。
17才の私はクラウス・シュルツや山下洋輔トリオなどを聞いてずいぶん背伸びしていたのだろう。多少甘えた夢のような、こんなラビさんの歌には無性にひかれたが、こんな単純な愛の夢物語のような歌を本当は好きだとは言えず、ひとりでこっそりと何度も繰り返して聞いていた。

結局はどんなに世界を斜交いに見てはいても、誰かに愛されたい、さみしいのは嫌だという、ごくごく当たり前の人間だったということだろう。
この曲を聞くと、当時の、やたら虚無ぶった高校生時代を思い出して、せつない。

Youtubeにありました。


女です+なかのあなた(抄録)女です+なかのあなた(抄録)
アーティスト:中山ラビ
販売元:Pヴァインレコード
発売日:2004-10-15
クチコミを見る



kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!音楽