2009年09月

2009年09月20日

a story of the king of noise

非常階段のヒストリーを追った単行本の打ち合わせ。タイトルは上記のように決まりました。

追加原稿をいくつか執筆しなくてはならなさそう。でも楽しみだな。


kishidashin01 at 23:35|Permalinkclip!日常 

2009年09月19日

ノイズ・ギターの未来

10月2日金曜日に東京・高円寺ペンギンハウスで行われるライブには「JOJO広重 WITH 山家暁子」というユニットで出演する。
その山家(やんべ)さんと明大前のスタジオで2時間ほどセッション。

山家さんは「アチバンキー」というエレクトロニカ・ノイズ・ジャズ(?)のバンドでギターを弾いている女性だが、ほとんど無名に近いミュージシャンだと思う。
しかしこんなに素直に"ノイズギター"を演奏する女性を、私は他に知らない。

私がフリー・インプロヴィゼーションによるギターセッションをした女性は、あみのめの寺島暁子、おにんこ!の手計舞、あふりらんぽのオニくらいで、この3人はすべてロックバンドをベースにギターを演奏するミュージシャンばかりである。オニちゃんはずいぶんフリーキーな部分はあるが、それでもバックにはロックとかジャズとか、つまりは私や灰野さんや大友さんや山本精一くんのような、前衛音楽に関連するバックグラウンドがあるわけである。

だが山家さんのギターは"ノイズギター"というのがベースにあって演奏しているのだという、新しい世代のギターをひしひしと感じる。

今日はスタジオで休憩をはさんで1時間以上ギターによるデュオの即興演奏をおこなったが、彼女の演奏には、いわゆるフリー・インプロヴァイザーの初心者にありがちな"演奏の引き出しがなくなった"とか"ここからどう展開していけばいいのかわからない"的なとまどいの瞬間は一度もなかったと思う。

これはまるっきり次世代のギタリスト、未来のギタリストではないかと思う。
ノイズという音楽はもう30年前からあるスタイルでちっとも新しくないように、ノイズ・ギタリストも旧態依然としていつまでもJOJO広重、灰野、大友、山本ではないと思うのに、いっこうに期待の新人が出てこないことはずいぶん不思議だった。
そういう意味でも、山家さんというギタリストは今後最も注目すべき人材だと思う。

ぜひ彼女と灰野さん、彼女と大友さんのギターセッションを見てみたい、聞いてみたいと思った。

今日は私はちょっとプログレ風、ジャズ風、デス系、ハーシュノイズなど様々なノイズギターを演奏してみたが、一瞬もひるむ風なくついてきた山家さんのギターは見事だった。10月2日がとても楽しみだ。


ノイズギターの未来。
それを今夜、かいま見た気がするよ。


kishidashin01 at 23:46|Permalinkclip!音楽 

2009年09月18日

ひらちん日記

今日から渋谷で3日間、占いのお仕事。
今回も全コマ予約埋まりました。ありがとうございます。

夕方6時におにんこ!のひらちんが来てくれました。
現在妊娠中、おおきなおなかで遠くまで出てきてくれてありがとうね。

遅れた誕生日プレゼントと、手作りのシールドケースをいただきましたが、かわいくてきれいで、とてもシールドをいれるなんてもったいなくて。
なにか小物入れに使わせていただきます。

「ひらちん日記」というタイトルのソロ作品のCDRもいただきました。
いいジャケットですね!
大阪に帰ったら聞かせてもらいますね。

10月2日の高円寺ペンギンハウスと、10月10日の新宿ロフトはおにんこ!も対バンですね。楽しみにしています!


hirahira


kishidashin01 at 23:30|Permalinkclip!日常 

2009年09月17日

佐伯慎亮写真展@AKAAKA

「赤々舎」とは言っても別に"アカ"なわけではないらしいが、こんな名前の東京の出版者から、アウトドアホームレスのメンバー・佐伯慎亮くんの写真集『挨拶』が出版されることになった。

で、その写真展と発刊パーティ、記念ライブなどが赤々舎に併設のギャラリー「ASAAKA」で9月19日〜10月10日まで開催されるという。

aisatsu



カメラや写真を趣味としたり仕事にしたりする人はみな、自分の写真集が東京の出版社から出るなんているのは、まさしく夢だろう。
この若さでその夢を実現した佐伯くんはえらいなあ。

佐伯くんはあふりらんぽのオニちゃんの旦那でもある。そのオニちゃんは最近ソロでのアコースティックギター弾き語りもやっていて、それがまた好評だ。
19日の18時くらいからこの写真展のオープニングレセプションがあり、オニちゃんのライブもあるという。入場無料なので、ぜひ興味とお時間のある方は足を運んでもらいたい。

佐伯くんと初めてあったのはもう6年前だろうか。今のアルケミーの事務所があるフロアが「複眼ギャラリー」という画廊だったころ、佐伯くんの写真展「狂気の今日昨日」を見に行った時に出会ったのが最初だと思う。
その圧倒的な写真の数のボリュームと、崖からダイビングしている男の子の写真がこれまた圧倒的だったのはよく覚えている。
この時の写真も今回の写真集には収録されているようで、嬉しい。

この写真集「挨拶」は彼の撮りためた10年の総決算的写真でもあるだろうし、彼のスタート地点でもある。
写真集のオビに使われるわけではないが、写真集発刊についてのコメントを三上寛さんと私が寄せている。会場のどこかで見れるかもしれない。
二人のコメントに共通している"悲しみ"という言葉がある。私と三上さんでは意味が違うけれど、この共通している言葉こそが、佐伯くんの撮る写真の奥底に流れる思いがだぶるのかもしれないね。

佐伯くん、おめでとう。
大阪のベアーズでも10月23日に発刊イベントがありますね。そちらは出演させてもらいますね。


ギャラリーAKAAKAの地図

住所:東京都江東区白河2-5-10
電話:03-5620-1475
アクセス:都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線清澄白河駅B2出口より徒歩4分
開廊時間:12:00〜20:00/日、月休廊


kishidashin01 at 16:37|Permalinkclip!日常 

2009年09月16日

原爆スター階段Tシャツ

アルケミーレコードのホームページのトップページにも掲載してありますが、10月10日新宿ロフトで行われるDRIVE TO 2010「原爆スター階段」のライブを記念して、「原爆スター階段Tシャツ」を制作・販売することになりました。

色は黒のみ、非常階段、スターリン、原爆オナニーズのロゴを合成したオリジナル仕様です。サイズはXS〜XLまで5種類あります。

もちろんライブ当日、新宿ロフト店内で販売もしますが、地方の方でライブは行けないがTシャツは欲しいという方、当日ライブに着て行きたいという方もおられると思いますので、事前の通信販売することにしました。
こちらの
原爆スター階段Tシャツ(予約受付中!)
よりAMSオンラインを利用してご購入ください。


こちらの商品は発送都合上、購入にはいくつか制約があります。

1)お申し込み受付は9月30日までです。

2)お支払は代引きのみ(商品代+送料600円+手数料400円)となります。他のCDやDVDなどの同梱不可です。原爆スター階段のTシャツのみでしたら何枚ご注文頂いてもかまいません。(商品代+送料600円+手数料400円)にてお届けいたします。

3)CDと原爆スター階段のTシャツを同時にオンラインで注文されても、CDとTシャツは別便で発送します。その場合送料は2便分かかりますので、ご了承ください。

4)お取り置きはできません。またキャンセルもできませんので、熟考の上ご注文ください。

5)発送は10月1日以降になります。


このTシャツは10月10日の新宿ロフト会場と、10月3日の名古屋・TOKUZOUで行われる「非常階段/原爆オナニーズ/原爆階段」のライブ会場でも先行販売します。

おおいにライブを盛り上げたいと思います。この機会にTシャツもお楽しみください。
kaidant



kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!音楽 

2009年09月15日

名もなき恋のうた/20世紀少年/レディ・イン・ザ・ウォーター

ここ1週間で見た映画。

先週映画館で「BALLAD 名もなき恋のうた」を鑑賞。

もちろんアニメ映画「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」の実写リメイクで、「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督作品なのは周知のとおり。

実写では役者、小道具、大道具、バック、照明、カメラ、VFXなどすべてが一流のものを要求されるが、かなりのところまで山崎監督はせまったと思うが、原作アニメという有利部分を差し引きしても、内容はアニメ版のほうに軍配があがるかもしれない。

ひとつは狂言回しの役割であるしんちゃん役、ここでは川上真一役があまりに線が細いこと、もうひとつはアニメ版と違い、映画を又兵衛と廉姫側から描いたことに、実写の人間が演技しきれていなかったことが敗因ではないかと思う。

それでも、真一の両親が戦国時代に現れ、又兵衛たちとカレーの夕飯を食べるシーンは最高だった。戦いに勝つとか、悲恋の行方ではなく、日常の中のなんでもない一場面に幸せの極みを描いた山崎監督に、私は拍手を贈りたい。



DVDで映画を2本鑑賞。

『20世紀少年第2章「最後の希望」』

第1章を昨年たまたま映画館で見たが、内容には共感できず、この第2章はロードショーでは見なかった。しかし続きを見るためにレンタルDVD。
この映画の主人公ケンジらの設定は私と同い年、西暦1959年生まれに設定されているため、なんとも同時代を感じるも、どうも小道具や設定が微妙に違う。つまりは描ききれていないのだ。さっきの「BALLAD」もだが、原作がマンガという省略されきった絵を実写で映像化するにはたいへんな労力を必要とする。
特に第1章は見ていて陰惨な印象を受けるシーンが多かったが、この第2章は遠藤カンナ役の平愛梨が好演、全体を牽引した気がしますね。

しかし内容は。。。
まあ、第3章も見ますけれども!という感じですね。



『レディ・イン・ザ・ウォーター』

ナイト・シャマラン監督の作品では「ヴィレッジ」が一番好きだ、ということをブログで書いたら、5月の渋谷・アップリンクファクトリーのトークイベントで中原昌也くんと対談した時、中原くんが『ヴェレッジ、よかったですね。"レディ・イン・ザ・ウォーター"は見ましたか?あまり評判にはならなかったけれど、普通によかったですよ』と言われていたのだけれど、なかなか見る機会がなかったのを、ようやくレンタルDVDで入手。

いやー、これはいい映画でした!
地上にやってきた"ナーフ"と呼ばれる水の精であるストーリーという女性を敵から守り、無事にあちらの世界に帰す、という、ただそれだけのお話だが、アパートの敷地から一歩も出ないというシチュエーション設定がこの映画の成功を見ている気がする。
つまりはかぐや姫を月に帰すようなファンタジックなお話なわけで、「シックス・センス」「サイン」のようなミステリーを期待してると肩すかしかもしれない。

「20世紀少年」の映画を陰惨と書いたが、つまりは登場する人間を性悪説に描いているからだろう。今の日本のほとんどは人間性悪説で実世界が進行しているからだろうが、映画までそれではやりきれない。
この「レディ・イン・ザ・ウォーター」に登場する人間はみなやさしい。性善説で描かれているとは単純には思わなくてもいいが、例えばヒーラーに7人の女性が手を差し伸べて応援するシーンは、本当にひとつの魔術を見ているようなイメージを歓喜させる。人には人を守る、治す、許す力が備わっていると、信じられる。

やっぱりナイト・シャマラン監督の映画は、ちゃんと全部見ておこう。
ありがとうね、中原くん。


ここ数日、寝る前に数年前に香港で買ったDVD「ルパン三世 (TV第1シリーズ)」を何話か流し見。チャーリー・コーセイのエンディングテーマは今聞いてもかっこいいですね。
「全員集合トランプ作戦」「7番目の橋が落ちるとき」「タイムマシンに気をつけろ!」は好きなエピソードでした。
現金しか信じない峰不二子、いいですねー。




kishidashin01 at 23:55|Permalinkclip!映画 

2009年09月14日

フジヤマから返ってきた!

奇跡か?
友情か?
あきらめずトライしたご褒美か?

フジヤマから委託していたCDが返ってきました!
絶版あり、10年以上前に納品した商品あり、日焼けやケース割れなどもありましたが、とにかくも苦労してストックからアルケミー商品を発掘してくれたフジヤマ・渡辺さんに感謝です。

いやー、9月中には返ってこないかも、なんて悲観的な記述をしていた自分が恥ずかしいですね!私と渡辺さんの友情は不滅ですなあ。

で、アルケミーのホームページ、AMSオンラインに
FUJIYAMAから帰ってきたよ
コーナー作りました!
レアなものは枚数も少ないです!早い者勝ち!

さらに痛んでいた商品も格安で提供です!
ちょっとワケあり
こちらも早い者勝ち!

もちろん半額セールも続行中です。あわせてよろしくお願いします。こちらにもフジヤマからの返品分追加してあります。


あと、お買いあげの方にお願いです。

*「お取り置き」はごかんべんお願いします。低価格になっておりますので、そのあたりご理解ください。

*振り込みによるご購入をご希望の方、送料は何枚でも200円と低価格になっております。なるべく早めの入金をよろしくお願いします。


フジヤマからはまた近いうちに返品第二弾もあるようです。
返ってきたら、商品追加しますね。



AMSオンラインが今月いっぱいでなくなることに、いろいろご意見、惜別、お怒りなど思っておられることあると思います。声にならない声も、私にはちゃんと届いています。みな等しく、「ありがとうございます」という思いでいっぱいです。
また時期をみて、いろいろ語っていきたいと思います。


島根県のハードコアパンクバンドの方が、AMSオンライン閉店についてご自身のブログで熱心な意見を書いてくださっています。
SOFT ブログ
音楽業界の人間、CDショップの人間、音楽ライター、ミュージシャン、レーベル運営者が思っていても口に出さないことを、山陰でパンクをがんばっておられるのであろう若者がこのように発言することは、素晴らしいと思います。
ありがとうね。


kishidashin01 at 22:02|Permalinkclip!音楽 

2009年09月13日

ハムになる本

現在でも私は多趣味多芸だが、小学生の頃、すでに多趣味だった。
一番熱中したのは切手収集だったが、すぐにたいがいの安い記念切手は集めきってしまい、通常切手(普通切手)や消印、鉄郵印、風景印、初日カバー、ベトナム切手、万博切手、絵画切手などを収集していた。さらにコイン、日本酒の瓶のフタ、怪獣のソフビなども集めていた。ゲームも大好きで、野球盤、タカラのアメリカンゲーム、バンカース、パズル、トタンプ、花ふだも遊んだ。もちろんメンコ、地球独楽、銀玉鉄砲、鬼ごっこ、戦争ごっこ、プラモデルなどなんでもやった。自分の知らない遊びを他の友達がやっていると「それなに!?おしえて!」と、とにかく好奇心満載の子供だったと思う。

私の小学生時代は1965年〜1972年で、とにかく興味がないものなんてない、続々新しいものが作られていく時代だったから、なにかに飽きて一日することがないなんて日はなかった。忙しかった。お小遣いには限界があるから、友人をつかえるものは使い、友人の親まで使い、たかれるやつからはたかり、共同でやればなんとかなるものはみんなでなんとかした。


Fくんという友人とは小学校の3年生から6年生まで一緒に過ごした友人で、一番よく遊んだ友だちだったと思う。(Fくんとのエピソードはたくさんおもしろいものがあるので何回かにわけて執筆予定)

Fくんが小学校6年生の時、私を呼びだしてこう言った。

『おい広重くん、ハムをやってみないか』

ハム?ハムってなに?ハムって食べるものでしょ?と言うとFくんは『そういうと思ったよ!ちがうよ、アマチュア無線だよ』と言う。
そして見せてくれたのが「ハムになる本」という、アマチュア無線の入門本だった。"ハム"とはアマチュア無線愛好家の俗称だったのである。

当時はもちろんインターネットもパソコンも携帯電話もない時代。電話だって一家に1台はなかった。
そんな時代に無線機を使って日本中、いや世界中のアマチュア無線家と会話ができるなんて、もうそれは夢のようにすごい世界だった。
『え?ぼくらみたいな子供でも出来るの?』
と訊くと、Fくんは最近は免許をとって無線をしている小学生が続出しているという。

もちろん私はFくんとハムをやろう!ということになった。
京福電車の白梅町駅近くにあったオーム社という書店に飛び込み、Fくんが持っていたのと同じ「ハムになる本」を購入、また同行したFくんにそそのかされて、アマチュア無線の専門雑誌「CQハムラジオ」の最新号も購入した。

アマチュア無線をするには国家試験を受けて免許を取得する必要がある。
おお!これだけでもう"かっこいい!"と思った。
入門者が最初に取得するのは「電話級アマチュア無線技士免許」というものらしく、「ハムになる本」というのはその電話級の試験を受けるためのマニュアル&テキスト本だったのである。
この本を読め、そして勉強して年に数回行われる電話級アマチュア無線の免許を取れ、ということだ。
当時は関西では6月と12月の2回、アマチュア無線電話級国家試験が開催されていた。しかも会場は大阪である。京都に住んでいた小学生にはなんとも敷居が高く感じられた。しかしやるしかない。

その日から「ハムになる本」は私のバイブルとなった。寝る時も枕元におき、ボロボロになるまで読んだと思う。「CQハムラジオ」も毎月購入していたが、Fくんは平行して「無線と実験」という雑誌も購入、お互いライバル心を燃やしていた。

当時、私の親戚のおじさんは京都の舞鶴で電気店を経営していた。
交信するための電波を発する無線機はもちろん免許がないと使用できないが、受信機を使って無線を傍受するだけなら誰にでもできたことから、おじさんを説得して手伝ってもらい、私はパーツを集めて受信専用の無線機を作成しはじめた。
へへへ、これでFくんを出し抜けるぞと思っていたが、あとトランジスタ数個が入手出来ればというところで気がついた。

アンテナがないと受信できないじゃないか!

「CQハムラジオ」で余計な知識をたんまり頭に入れた小学生にとって、"八木アンテナ"は神も同然である。
雑誌には自分の家の庭に10メートル以上ものタワーアンテナをたてて海外と毎日交信している無線家の写真が載っている。本当にうらやましかった。
私の家は商店街にあり、屋根の上に無線用の高いアンテナを立てるのは大がかりな工事が必要で、自分の部屋すらなかった私には夢の夢だった。

近所の山田コロッケ店の向いの家の人が無線をやっているのはすぐにわかった。表札の横に「JA3○○○」というコールサインの札がかかっていたのと、屋根の上には憧れの八木アンテナがそびえていたからである。
私はその家におじゃまして無線の実際を見せてほしいと思っていた。
きっとDX(遠距離通信)で海外の人ともラグチュー(雑談)して、たくさんのQSLカード(交信をした相手と記念に交わす絵葉書状のカード)のコレクションもあるんだろうなと夢想していたが、ついに見知らぬ家のドアホンを押す勇気は私にはなかった。Fくんと一緒に「JA3」という初期の番号のコールサインを憧れて見上げていたのを覚えている。
「A」の部分はコールサインが不足してくると他のアルファベットに変わってしまうため、レアなのだ。


むろん必死に勉強したが、小学校6年生の12月に受けた電話級アマチュア無線技師の国家試験には私は合格しなかった。不合格通知が来た時、ものすごく落胆したのを覚えている。
Fくんは合格した。確かお祝いに両親から無線機を買ってもらったはずだが、彼のコールサインも知らなければ、彼が交信しているところを横で見ていた記憶もない。きっと私はくやしかったのだろう。

私は私立中学に、Fくんは公立中学に入学したため、少しずつお互いは疎遠になっていった。
「CQハムラジオ」はその後も毎月買っていたが、やがて興味が薄れ、買わなくなった。次の試験を受けるモチベーションはもうなかった。
アマチュア無線のことはすっかり忘れてしまった。作りかけの受信用無線機も捨ててしまった。


1991年、卒業20周年だったか、小学校6年生のクラスの同窓会があり、私はFくんと10数年ぶりに会場で再会した。
Fくんはあの後アマチュア無線の趣味から工業高校に進学し、今は八木アンテナに就職しているという。
なんと、ハムが彼のその後の人生を決定づけたのであった。趣味の素晴らしさを痛感した、友との再会であった。

同窓会の翌日、私は大型書店に行き、無線工学のコーナーにむかった。
「ハムになる本」という入門者向けの書籍はもうなかったが、アマチュア無線入門用のテキスト本はあった。もう電話級、電信級ではなく第四級、第三級という呼称になっていることも初めて知った。
私はもう一度「ハムになる本」で勉強したかったが、似たような参考書を買い、しこたま勉強した。
30才を過ぎて無線の勉強をするとは、と思いながらも、夢中で無線のことや電波や電気の法則を片っ端から覚えた。
1992年、私は大阪天王寺の受験会場で第四級アマチュア無線技師の国家試験を受験し、合格した。
20年前に試験に落ちた悔しさも、もう懐かしい思い出になっていたことに気がついた。


免許証取得後、私は無線機も購入していないし、開局もしていない。もちろんコールサインもない。
時代はパソコン通信からインターネットの時代、携帯電話の時代へと向かっていたからだ。

免許証は、いまでも私の思い出と誇りのために、手元においてある。



denwakyu


kishidashin01 at 16:34|Permalinkclip!日常 

2009年09月12日

会社の死に方

昔、早川義夫さんの著書は2冊あって、70年代に自由国民社から出ていた「ラブゼネレーション」と、1982年に晶文社から出ていた「ぼくは本屋のおやじさん」の2冊は熱心に読み、とても大切にしていた単行本だった。
誰かに貸したまま返ってこなくなったけれども。

その後、復活された早川さんの著書「たましいの場所」が数年前に発行された時、私も当時は書店を経営していたので、もちろん書棚には常備本として仕入れたのだけれども、その時にこの単行本が"晶文社"から出ていたことがすごく嬉しかったのを覚えている。「ぼくは本屋のおやじさん」を出版していたところからまた新しく著書が出るなんて、早川さんにとってとても幸せなことに思えたのだ。


その晶文社が、今後文芸部門を閉鎖、在庫もいまあるのを売り切ってしまうと重版しないという。

「晶文社が文芸部門閉鎖」というニュースを知って

この方のブログページ中にも転載があるが、都築響一さんのブログに書かれた言葉には妙な説得力がある。

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経営判断、というのは便利な言葉ですが、思うに、ひとにも死に方があるように、会社にも死に方というものがあるのではないでしょうか。これだけの知的資源を持つ出版社が、いまさら文芸書を出しても赤字で潰れるだけ、ということもないと思うのですが、かりにそうだとしても、「晶文社的知性」という宝物を失ってしまうからには、むりやり延命するよりも、走り続けて、最後に前のめりに倒れてほしい、と思ってしまうのは僕だけでしょうか。(roadside diaries)
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まあ、確かにそうだ。
都築響一さんの著書『珍世界紀行』が大好きなので、都築さんの文章についてこんなことを言うのは悪いとは思うが、インディーズだとかバンドとかライブハウスとか音楽雑誌とか個人経営のレコード屋とかをやっている連中は、どいつもこいつも『むりやり延命するよりも、走り続けて、最後に前のめりに倒れ』たやつらばかりだ。
それは決して美しくなんかない。
しかしそうせざるをえないものがあるから音楽とかかわっているのだ。
違う?
我々はやはり甘い夢を追っているのかねえ。


近い将来、早川さんの晶文社の2冊の本も絶版になるのかな。

でも、きっとどこかの出版社や音楽関連の会社や、もしくは熱心な個人がきっとこの2冊の復刊をめざすだろう。

そんな気がするよ。



たましいの場所たましいの場所
著者:早川 義夫
販売元:晶文社
発売日:2002-07-01
おすすめ度:5.0
クチコミを見る

ぼくは本屋のおやじさん (就職しないで生きるには 1)ぼくは本屋のおやじさん (就職しないで生きるには 1)
著者:早川 義夫
販売元:晶文社
発売日:1982-01-01
おすすめ度:4.5
クチコミを見る

文庫:ラブ・ゼネレーション (ROCK文庫)
著者:早川 義夫
販売元:シンコーミュージック
発売日:1998-12-10
おすすめ度:5.0
クチコミを見る



ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 東日本編 (ちくま文庫)ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 東日本編 (ちくま文庫)
著者:都築 響一
販売元:筑摩書房
発売日:2000-12
おすすめ度:4.0
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ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 西日本編 (ちくま文庫)ROADSIDE JAPAN―珍日本紀行 西日本編 (ちくま文庫)
著者:都築 響一
販売元:筑摩書房
発売日:2000-12
おすすめ度:4.0
クチコミを見る




kishidashin01 at 18:47|Permalinkclip!読書 

2009年09月11日

楽しい一夜でした

なんばベアーズ「早川義夫大会」、盛況のうちに終了しました。
たくさんのご来場者の方々、出演者のみなさん、本当にありがとう。
個人的な思いつき的誕生日パーティのようなライブにしたかったのですが、本当にそんな一夜になりました。

スハラくんも山本精一くんも、私も、歌詞間違えまくり!(笑)
スハラくんと山本くんは歌詞カードおいているのに。(笑)
でもめちゃくちゃ楽しいライブでした。
早川さんの歌をこんなに楽しく演奏して、お客さんも笑顔でうけてくれて、アンコール2回もいただいて。
演奏ミスも歌詞の間違いも、みんなあたたかく受け止めていただきました。
こんなライブ、大阪じゃないとありえないよね。

アンコール、とてもうれしかったです。
スハラ+山本+広重による「からっぽの世界」「マリアンヌ」で終わるつもりだったので、まるでアンコール考えていなかったのですが、「いい娘だね」、さらに「堕天使ロック」まで演奏するとは夢にも思っていませんでした。

早川さん、そして早川さんファンには失礼も多々あったかもしれません。本当にごめんなさい。でも、早川さんへの、早川さんの歌へのシンパシーは十二分につたわったかと思います。

もうこんなライブは当分しないと思います。(笑)
みなさん、ありがとう。またライブ会場でお会いしましょう!




kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!ライブ