2008年12月

2008年12月31日

ギンガ

先日、Pヴァインから山本精一著「ギンガ」の復刻版がサンプルで送られてきた。
これは2009年1月16日に全国発売の書籍だが、年内に刷りあがったということだろう。追加原稿があり、発売日に間に合うかなという段取りだっただけに、無事間にあってなによりなにより。来月の中旬にはCDショップや書店に並ぶはず。

この本は1999年にリットーミュージックから出版された山本精一くんの最初のエッセイ集だが、長く絶版になっていた。発売当時はその内容のおもしろさに話題騒然、当時営業していた心斎橋のアルケミーミュージックストアでは100冊以上売れた。

山本さんの書く文章はそのままでももうめちゃくちゃおもしろいが、関西のインディーズシーン、特にベアーズやアルケミーを中心として活動しているミュージシャンを知っていると、さらに面白い。Sくんとは須原くんだし、Oくんとは元サバート・ブレイズの岡野くんだし、と、わかればわかるほど、笑える。

この本の白眉は前後編にわかれて書かれている「大阪<ゴールドラッシュ>」だろう。大阪のとあるスタジオが閉店することになり、そこの機材を大阪のバンド連中が格安でむしりとる話。
この本に掲載されている信じられないような話の連続はほとんど実話だが、このスタジオの機材強奪の話はそこに登場するバンドのメンバーやそのスタジオそのものを知っている大阪の人間には、もう腹をかかえて笑ってしまうことうけあいである。

現在刊行されているエッセイ第2集「ゆん」も十二分におもしろいが、笑撃度はこちらの方が上だろう。まだ読んでいない方には絶対おすすめするし、もう持っている方には今回のPヴァイン版は48ページも新作が増補されているので、やはり一読をおすすめする。非常階段/インキャパシタンツの美川氏のこともその増補ページに出てきます。
ぜひ新年の笑い初めにいかがですか。

あと、福岡の書店の高倉さん初め全国の書店関係者の方々、ぜひ平積みで展開を。
徳島の小西さん始め、全国の図書館関係者の方、ぜひご購入して閲覧室にどうぞ。

今年は想い出波止場のCD復刻を機会に、この「ギンガ」の復刊もできたのは非常に嬉しい。協力してくれたAMSのお客さんのHくん、本当にありがとうね。

しかし、153ページのフールズメイト編集者の石井くんの写真、本当にすごいな。
石井くん、元気にしていますか。(笑)

gingin
ギンガ



ゆん
ゆん




kishidashin01 at 11:05|Permalinkclip!読書 

2008年12月30日

山桜

映画館では見れなかったので、DVDで「山桜」を鑑賞。
山桜 [DVD]
山桜 [DVD]



藤澤周平の原作(非常に短い短編)が素晴らしい作品なだけに、映像化には危惧していたし、田中麗奈や東山紀之といったアイドル出の俳優が主人公役とあってますます「つまらなかったらどうしよう」的な不安もあったが、なんの、よくできた映画だった。

まず、ストーリーが原作に忠実。若干の肉付けがされている程度で、ほぼ原作そのままと言える。そして役者には篠田三郎、壇ふみといったベテラン陣がやさしい両親を演じ、悪役の永島暎子、村井国夫、千葉哲也がほんとうに憎らしい&素晴らしい演技を見せている。しかしなにより一番良かったのは、自分でも意外だったのだが、東山紀之である。

もちろんちょっといい男の役どころなので、ジャニーズ出身の東山紀之には適役ではあるが、ほれぼれしたのは太刀捌きである。苦しんでいる農民から残酷に年貢を巻き上げて私腹を肥やす家老を正義感で切ってしまう若き武士の役所だが、このシーンが絶品だ。動きにまるで無駄がなく、そして美しい。

もうひとつの名シーンは、ラストの富司純子が登場する家のシーンである。もうここからラストまでは、涙腺のゆるい方なら間違いなく泣いてしまいます。
富司純子の存在感も、凄い。これはキャスティングの完璧な勝利だ。

難を言うなら、テレビ的というか、回想シーンがやや多いこと。映像ではなく、役者の表情や目線やロングショットなどで小説の「行間」を表現してほしかったところ。

あとは、エンディングテーマかな。一青窈には何のうらみもないし、素晴らしい歌手だとは思うが、このエンドロールにこの歌はちょっと不釣り合いか。

ストーリーとしては完結しない(原作も)話なので、それもいいと思った。主人公がどうなるのかは、あくまで観客が(読者が)想像すればいいという選択。最近はこういった作品が少ないだけに、よけいに新鮮だ。

年末年始に、レンタルDVDでぜひ見てみてください。


kishidashin01 at 21:42|Permalinkclip!映画 

2008年12月29日

お前はただの現在にすぎない

おととい、自分の15才の頃を思い出した話を書いた。あの時、まめぴよちゃんのお母さんに、私は中学から大学までの10年間、演劇部に所属していたことを話したが、他にもクラブに入っていたことを思い出した。

高校の時には新聞部や美術部にも所属していたが、中学生の時は文芸部と社会問題研究部にも入っていた。
この社会問題研究部のことはほとんど忘れていたが、中学校の卒業記念アルバムにはしっかり「社会問題研究部」のメンバーの中に写真で写っているので所属していたのは間違いない。しかしほとんど活動をした記憶がない。

それもそのはずで、私がクラブの研究題目として提議したアイデアは、クラブの部長(なかなかいけすかない女性だった)にことごとく却下されたからである。当時はもう消耗戦となっていた末期の学生運動のことや、被差別部落の問題、水俣病を中心とした公害問題を研究しようと意見したのだが「内容が過激すぎる」として、部長には頭から取り上げてもらえなかった。結局は京都の風致地区の景観問題や、当時はまだ市内を走っていた市電(路面電車)の問題など、京都の学校らしい、そして当たり障りのない研究題目に決定していったのである。

当然私としてはおもしろくなく、部員のいない時間帯に部室に閉じこもり、もっぱら読書室として使っていた。その頃発刊されたばかりの安部公房の戯曲「愛のメガネは色ガラス」に傾倒し、演劇部の方の仕事をこなしていた。
社会問題研究部の部室は、先生も使用する私設の図書室のような部屋だった。中学生にはまだ難しいような古めかしい本がいくつかあったが、そこで読んだのが「お前はただの現在にすぎない」だったように思う。
はっきりとした記憶はないが、当時はまだメディア論(という言葉すらなかったが)の本は新聞関係のものくらいしかなく、テレビの裏事情のようなこの本はなんだかわからないがすごい本のように思ったものだ。そして大きなものには結局は敗北していく個人、というシチュエーションに妙に正義感が燃えたのを覚えている。

お前はただの現在にすぎない テレビになにが可能か (朝日文庫)
お前はただの現在にすぎない〜テレビになにが可能か (朝日文庫)



しかし「お前はただの現在にすぎない」とは、すごいタイトルだ。
弱冠14才の中学生には難しく、結局は斜め読みしかできていなかったと思う。

先日、徳島の小西さんにお会いした時、最近この本が復刊され文庫で出ていることをチラときいていたので、大阪の書店をいくつか探したがこんな本はなかなか見つからず、結局アマゾンで買った。もう出だしからしてワクワクするような本だが、たまらなく硬派な本ですね。

そう、軟派な中学生だったと思うが、硬派なものにはたまらなくあこがれていた。
この本が出たのは40年前、私が読んだのは35年前。時代はまだ硬派のほうが多かったかもしれない。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常 

2008年12月28日

想い出の、思い出

FMNサウンドファクトリーのページで、石橋くんが想い出波止場について少し書いてくれていた。

『広重君のブログで知ったけど、想い出波止場の再発、水中JOEが飛び抜けて売れているらしい。
 そりゃそうだろう。傑作揃いの想い出波止場の諸作の中でも水中JOEはずば抜けた傑作だ。山本、津山の両氏からもそれぞれ「あれだけのものはもう二度と作れない」と聞いたことがある。
 何というか、隅から隅まで緻密に狂ってる。気を抜いたところが一瞬もない。狂ってるとは言ったけどあそこまで緻密に密度の濃い音だと普通の神経では狂ってるとしか受け取れないくらいだ、と言う意味だ。』

はい、本当にそのとおりだ。
Pヴァインなのでしばらくは廃盤にはならないだろうが、年末年始のこの時期は出荷もお休みなので、タワーレコードやディスクユニオン、HMVなどの店頭で「想い出波止場/水中JOE」を見かけられたら即購入しておかれることをおすすめする。
間違いなく、山本精一全作品の中でもトップクラスの出来の良いアルバムだから。
水中JOE (HQCD)
水中JOE (HQCD)


先日、Pヴァインから来年1月9日発売の「金星」「VUOY」「大阪・ラ」のサンプル盤も送られてきた。無事完成したので、来週の後半には各CDショップの店頭に並ぶだろう。「大音楽」を購入された方はBOXがついてきたと思うので、それにこの3枚を購入&収納してください。

想い出波止場のレコーディングのほとんどを担当されたエンジニアは、オメガサウンドの小谷さんという方だった。小谷さんは山本さんの同級生だったはずで、小谷さんの人生そのものが山本さんに激しく影響されているわけで、山本・小谷コンビの傑作が想い出波止場の作品群ということになると思う。

小谷さんは本当に変わったエンジニアだった。
いや、録音技術はまるっきりクオリティの高い、普通のエンジニア技術者だった。
ただ、スタジオの外ではいくつかのおもしろい逸話のある方だった。

一番記憶に残っているのは、小谷さんが『高くてまずい店』が好きだったことだ。居酒屋でも定食屋でもレストランでもいいのだが、その料理がまずい上に、支払いの時に「ええ!この味でこの値段!?」と絶句するようなお店に出会った時、えも言われぬ感動につつまれるというのだ。そしてさらにたちの悪いのは、そのお店に知り合いを連れて行き、「ね、まずいでしょ」と言うのが好きときている。こんな人には小谷さん以外会ったことがない。
何かのマスタリングをしている時にこんなことを言われたことがある。『この間、渋谷で久しぶりにひどい店に出会いました。ボアダムズのマスタリングが終わって、知り合いのエンジニアと夜の渋谷にでかけたんですよ。ライブハウスのクアトロの近くのお店で、ビール2本とつまみを少し、おでんをちょっと食べましてね。会計しようとレジに行ったら、2万何千円とか言われましてね。思わず吹いてしまいましたわ』
私は「広重さん、今度ご一緒に」と誘われなかったので、ほっとしたことを覚えている。

石橋くんのブログには、想い出波止場の信じられないようなレコーディングのことが少し書かれているが、私はあえて小谷さんに想い出波止場の録音の秘密はきかなかった。もう今は小谷さんと会うことはほとんどないので、この秘密は永久にとかれることがないのかもしれない。
これは私の推測だが、動いている24トラックのレコーダーのテープリールを手でとめたのではないか、と思える箇所が「水中JOE」録音楽曲の一部にある。そんなことをしたらレコーダーのメンテナンスに数万〜十数万円はかかってしまうが、もしかしたらやったかな、と思っている。

これは私の知っている小谷さんのレコーディングのエピソード。
1992年か93年くらいの全力オナニーズの「奴隷復活」というアルバムの録音の時だったと思う。なにやら録音をしている時に、SMの音を入れようということになった。その頃、ランコさんは大阪のSMクラブで働いていたので、本職の風俗のSM嬢にスタジオに来てもらい、全力オナニーズのメンバーを鞭で叩いたり、ロウソクを素肌にたらしたりして、レコーディングした。
しかしよく考えてみれば、鞭で叩く音は、本当にSM嬢に鞭で叩いてもらわなくても、何か紐状のもので何かをたたけばそのような音は出るものだし、ロウソクをたらす音(そんな音はそもそもない)は結局録音できなかった。
小谷さんの数々のレコーディングの伝説の中で、この全力オナニーズのSM嬢による録音が成功だったのか、失敗だったのか、今となってはもうわからない。





kishidashin01 at 23:19|Permalinkclip!音楽 

2008年12月27日

ケーキカット

モタコくんと隔月で開催している「飲み会」を「お茶会」に変更し、枡本航太くんもさそって、ついに本日まめぴよちゃん&お母さんと5人でお茶会。
みんな忙しいスケジュールの合間をぬって、ということになるので年内は無理かなと思っていたが、モタコくんの采配で無事開催できた。2時間半くらいだったかな実質は。


15才の高校生がオシリペンペンズや枡本航太やマゾンナやほぶらきんや私などの音楽を好きになって、なにをどう思っているのかはずいぶん気になっていたので、今日はずいぶん話を聞けて嬉しかった。モタコくんや枡本航太くんの話もおもしろかったが、今日はまめぴよ親子の話が最高におもしろかった。おそらく彼女たちも我々のことがおもしろかったに違いない。

つまりは、我々が15才の時に何を考えていたのか、ということだ。モタコくんも枡本航太くんも私も、まめぴよちゃんと話すことによって、その頃の自分が何を考え、何を思い、何に苦悩していたのかを一気に思い出したのである。
もちろんもう大人になってしまった我々は『なんにも考えてなかった』『学校がおもしろかった』『あほな仲間がいた』などと話したのだが、それはそれで事実なのだけれど、それとは別にまめぴよちゃんと同じく、自分が何をしたいのかを見つけることなどできず、自分とまわりとの考え方のギャップや、いごこちの悪さにとまどっていたのである。

そりゃあ高校1年生の女の子がほぶらきんと言っていても学校のクラスで話のあう同級生などいないことは容易に想像できるが、例えば私の時代だって、クラスで三上寛だ早川義夫だ佐井好子だと言っていたのは私ひとりだったわけで、今も昔もそんなに感覚に大差はないものだ。

じゃあどうしていたのかというと、クラス以外に話のあう連中を見つけてつるんだり、ロック喫茶などに行って学校以外の年上の連中の世界に首をつっこんんだり、時にはそういった場所の人にもバカにされ、時にはくじけながらも、自分の選択が正しいのだということを検証する作業をしていたのだと思う。自分の居場所は自分で作るしかなかったからだ。

高校のクラスでの友人は今はほとんどつきあいがないが、クラブ(演劇部だった)の仲間はいまだに一緒に遊んでいるし、ロック喫茶やバンドで知り合った連中の多くはいまだに友人である。
ようするに、そんなものなのだ。
例えばまめぴよちゃんの今のクラスの仲間は10年後にはもうほとんどつきあいがないかもしれないが、モタコくんや枡本航太くんや私とはそんな年月がたってもきっといい友人・知人の関係でいられるだろう。そして今日のお茶会の話がこうだったああだったと、笑いながら話せるんじゃないかな。
それでいいんじゃあないかなあ。

今日はみんなで来年2月に発売されるとうめいロボの新作アルバム「とうめいなじかん」を聞いた。夜、そのとうめいロボのちひろちゃんから私に電話があり、今年あったレコーディングやライブのことを話した。
ちひろちゃん、今日の電話であなたに伝えるのを忘れました。まめぴよちゃんが今年見たたくさんのライブの中で、一番よかったのはぼくらの『とうめい階段』だったそうです。ありがたいね、そう言ってもらえて。


なにかを思い、なにかをすれば、誰かに伝わる。
それでいいんだよねえ。


今日の空は、紺碧に晴れていたよ。
今日のことは5人が5人とも、きっと一生忘れないさ。




kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常 

2008年12月26日

振り返る2008

あと5日ほど残しているが、街はもう仕事納めモード。
アルケミーレコードも、私はまだ仕事を残しているが、事務所の方は本日が仕事納め。みなさんお疲れさまでした。

今年もいろいろ、やりましたね。

佐井好子さんの新作アルバムがPヴァインから発売されたのは今年の頭のあたりだった。もうずいぶん前の気がする。結局旧アルバム4タイトルも紙ジャケットで再発され、未発表ライブ音源もリリースされた。本当は1回きりの復活ライブも行うはずだったが、諸事情で実現できなかった。来年こそは、と思います。

このPヴァインのおつきあいから、今年はいろいろできました。埋火、とうめいロボ、中山双葉の新作を6月から10月にかけてレコーディング。埋火は今月めでたく発売になったし、とうめいロボは来年2月、中山双葉は3月にPヴァインからリリースされる。
想い出波止場の旧作もPヴァインから一気に再発。長く廃盤だったアルケミーの「大音楽」「水中JOE」「ブラックハワイ」もデジパックでリリース、好調に売れている模様。

ライブは2月に福岡で非常階段の出演したノイズイベント「AGAINST」が大盛況。マニ・ノイメイヤー氏が飛び入り参加したのもよかったな。私はそのマニさんと3月に本町nu-thingsでライブ。阿木譲さんとも再会できました。
4月にはAMSの実店舗閉店ということになり、それにかけつけてくれたちひろちゃんと「とうめい階段」のライブが出来た。とてもいいライブになり、AMSの最後に花をそえてくれた。
8月にはアルケミー主催イベント「アルケミーサマーソニック08」がなんばベアーズであり、花電車のカヴァーバンドで演奏を行った。これも盛況でおもしろいイベントでしたね。
9月には名古屋で「アシッド・マザーズ階段」、これもおもしろかった!
10月、新潟の正福寺の本堂でのライブも印象に残っている。新潟のみなさん、ありがとうね。同じく10月、京都・カフェアンデパンダンでの「やっぱり!?ギターでSHOW!!!」もユニークなイベントだった。平日でなければもっとお客さん入っていたかな。またこんな企画やってください。
12月は灰野敬二さんとのライブ、高知でのライブも楽しめた。
海外公演が今年はなかったですね。来年はいくつか話があるので、すすめたいところ。

リリースはDVDR作品が多かった。そしてほぶらきんのDVDがようやくリリースできた。CDではマゾンナの過去音源をまとめたものが2枚、GARADAMAの再発くらいしかできなかったな。来年はもっとリリースをふやしたい。

そのほかでは長年待ち続けた「ハードスタッフ12号」が先月無事発行されたことがビッグニュース。林くんが亡くなって5年、輝く金字塔の本となった気がする。小西さん、お疲れさま。

長く会っていなかった友人ともたくさん会えた。福岡では高倉さんがライブに来てくれた。バルザックのHIROSUKEくん、ダンスマカブラのワッティ、アウシュビッツのドラマーだったKOUHEIくん、エッグプラントのオーナーだったけーやん、大学時代のアルバイト仲間だったHくんとSくんなどなど。嬉しかったなあ。

占いの仕事もゆるやかにスタートできた。長年勉強してきたかいあった。来年は心斎橋に占いのお店を出します。今まではイベントや個人的に鑑定をしてきたのですが、お店をひらけばどなたでも鑑定させていただきます。もちろんお代はちょうだいしますが、安価に設定するつもりです。よろしくお願いします。

さて、今年のベストCDアルバムは「佐井好子/タクラマカン」と「埋火/わたしのふね」で決まりです。
今年のベスト書籍は「吉田修一/あの空の下で」と「ハードスタッフ12号」でした。
今年のベストDVDは「ALWAYS 続・三丁目の夕日」でした。今年は映画はあまり本数が見れなかった。来年こそはたくさん見ます。



kishidashin01 at 22:42|Permalinkclip!日常 

2008年12月25日

いい人

わるい人かいい人かときかれれば、そりゃあいい人のほうがいい。
でも、普段いい人が、いつもいい人とは限らない。

コンディションが悪い時、しんどい時、いざという時に"いい人"でいられるかどうか。

成田空港とか、海外旅行先とかでよく見かける、男女のケンカ。
あれが、毎度なんだけど、むなしい。
パスポートがどうしたとか、おまえがこっちだと言ったからそうしたのにこうだったとか、けっこう些細なことでケンカしているよね。
普段じゃない状況になった時、イライラして、大好きだった相手にきつく言ってしまったり、ひどい時は憎んでしまったり。

普段いい人であった場合、よけいに『え、本当はこんな人だったの』とか、思ってしまうよねえ。

子供でも同じで、普段が"いい子"なのはけっこう親の顔色うかがっていたりするので、あまり信用しないほうがいい。やっぱり、いざという時に"いい子"でいられるかどうか、かな。

秋吉久美子の1stアルバムに収録のモノローグに『いい人には2種類ある。都合のいい人と、どうでもいい人。』っていうのがあって、けっこう好きだったな。

笑福亭鶴瓶が町でファンに会った時の対応がいいので、関西の女子高校生に『超エー人!超エー人!』と叫ばれたことを自身の番組で話したところ、「超英人」というラップソングができあがった。
こちらでMP3で聞けるみたい。
超英人.ネット
まあ、超いい人にはならなくてもいいけど。(笑)


ちょっといい人、くらいなら、なりたいかな。
無理かな。(笑)

kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常 

2008年12月24日

徳島にて

高知からの帰り道、徳島で途中下車。

まずはハードスタッフ発行人の小西さんに会いに行く。
ハードスタッフ12号は2000部作ったが、私が在庫を見る限り、600部はもう切っている模様。小西さんがおっしゃるには自宅に100部ほど持ち帰っているので、700部弱くらいが手元の在庫だとのこと。実際に流通しだしてから1ヶ月なので、自費出版のミニコミとしては驚異的な売れ行きではないかと思う。
みなさんも売り切れないうちに、入手しておいてください。後年、プレミア価値で取引されるのは必至の本だと思います。

小西さんに、北島町に出来た古書店「ドリス」に連れていってもらう。
古書ドリス

アート系を中心にサブカルチャーや幻想文学など、かなりの品揃え。プライスも破格のお値段。徳島市内の古書店「ソラリス」もすごかったけれど、こちらもいい本を安価で提供なさっていますね。徳島の古書ファンは幸せだ。

ぜひ四国の方、徳島に寄られたら古書ドリスにも寄ってみてください。興味をそそる本がいっぱいあります。車でいかないと、ちょっとむつかしい場所かもしれませんが、行く価値ありです。

私も今日は、ハードスタッフで林くんが小学生の時に読んだとインタビューで答えていた「幻想と怪奇」の創刊号を1500円で発見、さらに藤枝静男/欣求浄土の1970年の初版本・状態良好のを1500円で発見、嬉しく買わせていただきました。
高柳昌行/阿部薫のCD「解体的交感」も1800円と安値。いいですねえ。

何時間でも滞在してしまいそうでしたが、今日は定休日なのに、小西さんが私が来るからと言ってくださり、無理に開けてくださったとのこと。感謝。

わずか2日間の四国滞在でしたが、いい気分でした。
また来ます。





kishidashin01 at 23:22|Permalinkclip! 

2008年12月23日

高知でライブ

高知のライブハウス・カオティックノイズへ。

前半はトークイベント。
関西のバンドの80年代の映像を流しながら、関西のパンクやインディペンデントな音楽の成り立ちを少しトーク。結局は見に来た高知のお客さん、バンドの人たちの知的欲求を満たすだけではなく、高知の音楽の未来へのなにかの参考になればという意図だが、そこそこうまく伝わったのではないかと思う。みなさん目を見開き、耳をダンボにして私の話を聞いてくれていたこと、よくわかっています。ありがとうね。
また2月にオリジナル・ウルトラビデで来ますので、その時にトーク第二回をやりましょう。

ライブも楽しかった。
<TEN-No.5>
SONNETというバンドの名前をひっくり返したのだというこのバンドは、日本のルーツ的な音楽をベースモチーフにしたロックバンドだった。こういった試みをしているバンドはなかなかないのではないかな。がんばってね。

<SWAN>
高知に来るたびに対バンしてもらっているSWAN、毎回成長していますね。メロディが際立っているバンドで、うまくいけば売れる音楽のラインに乗りそうなセンスがあると思う。

自分のライブは新曲「夢のおわり」と、山本精一くんの「あんなに好きだったこと」を頭に演奏して、三上寛さんの「おど」やとうめいロボの「雪」も複合したメドレーでした。アンコールもありがとう。

高知のカオティックノイズは2周年だという。2年もてば3年目はなんとかなるものだ。
来年の12月にも、またよんでください。
打ち上げも楽しかった。

高知のカオティックノイズ、お店もお客さんも、出演している地元のバンドもみな優秀だ。若い才能があふれている。
君たちがやっていることは何も間違っていない。今は数が少なく、小さな力かもしれないが、きっと未来にその気持ちはつながっていく。おもしろい音楽がいかに生きていく気持ちを豊かにし、自分を勇気づけていくのかを君たちは知っているのだ。それはすごく大きなことなんだよ。



『あしたは空が晴れるから/絶対、空が晴れるから』(とうめいロボ/雪)

kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!ライブ 

2008年12月22日

Willin

アウシュビッツの後期のドラマーだったコウヘイくんが大阪でバーをやっているという。
○か×のYさんの引率で、元ほぶらきん&アウシュビッツ&想い出波止場のキーボードだったSさんと合流して、コウヘイくんのバーにおもむく。

Yさんと飲みに行くのは、10数年前に元KGGMのPsyちゃんのバーに行って以来だし、Sさんとも数年前のアルケミー忘年会以来だ。
そもそもアウシュビッツ解散以来コウヘイくんには会っていないので、彼と会うのも15年ぶりになる。

Yさんはコウヘイくんにハードスタッフ12号を渡していたな。コウヘイくんは林くんの死後にキャプテントリップから出た「林直人/フレイム」のCDを買ったこと、マー坊がこのバーに来ていて、林くんの訃報はマー坊から電話で知ったこと、林くんも生前にこのバーに来たことがあることなど、くったくなく話してくれた。


彼は今夜、どんな思いでハードスタッフを読むのかな。


kishidashin01 at 23:59|Permalinkclip!日常